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2009 年度 実績報告書

出芽酵母リボソームタンパク質遺伝子の転写制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21770189
研究機関横浜市立大学

研究代表者

笠原 浩司  横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 助教 (40304159)

キーワードリボソーム / 転写 / RNAポリメラーゼII / 出芽酵母 / ヌクレオソーム / PIC(転写開始前複合体)
研究概要

本研究では、出芽酵母のHMGBタンパク質Hmo1が多くのリボソームタンパク質遺伝子のプロモーターに結合するという知見をもとに、RP遺伝子プロモーター上におけるHmo1の役割を分子レベルで明らかにすることにより、RP遺伝子の転写制御機構の全容解明を目指している。以下に21年度の主な研究成果について示す。
研究代表者は、RP遺伝子プロモーター上におけるHmo1の正確な結合位置を高分解ChIP法により解析し、その結果Hmo1が、転写調節因子が結合するUAS(上流活性化配列)と、基本転写因子群が重合し転写開始前複合体(PIC)を形成するコアプロモーター(Core)の間に介在する機能未知の配列(IVR ; InterVening Regionと命名)に結合することが明らかになった。さらに同様の解析によりヌクレオソーム、PICの結合位置を調べた結果、ヌクレオソームとHmo1は互いに排他的な領域に結合すること、さらにPICはHmo1とヌクレオソームに挟まれた領域に形成されることが明らかになった。これらの並びから、Hmo1とヌクレオソームがPICの形成し得る領域を限定し、正しい位置にPICが形成されるのを助けている可能性が強く示唆された。この仮説は、HMO1遺伝子破壊によってPIC形成位置が上流側に大きくシフトすることからも支持されている。このような働きをする因子についての報告は未だかつて無く、本研究における発見は真核生物における全く新しい転写制御機構の存在を示す重要なものであるといえる。
本研究では当初Hmo1がUASとCoreの間の領域に結合し、両者の距離を縮めるというモデルを考えており、結果としてそれは大きく修正されることになったものの、今後は新しいモデルについて、in vivo, in vitroの実験による検証を行い、引き続きRP遺伝子転写制御の全容解明を目指していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Genome-wide localization analysis of a complete set of Tafs reveals a specificeffect of the taf1 mutation on Taf2 occupancy and provides indirect evidence for different TFIID conformations at different promoters.2010

    • 著者名/発表者名
      Ohtsuki K., Kasahara K., Shimhige K., Kokubo T.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research 38(6)

      ページ: 1805-1820

    • 査読あり
  • [学会発表] Deletion of the N-terminal domain of TAF1 (taf1-TAND) exhibits synthetic lethality with mutations of the RAM signaling network in budding yeast2009

    • 著者名/発表者名
      Ohyama Y., Kasahara K., Kokubo T.
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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