研究課題
若手研究(B)
スフィンゴ脂質は生体膜の一構成成分として、シグナル伝達等様々な生命現象に関与する。本研究では、スフィンゴ脂質代謝酵素に着目して、生体膜スフィンゴ脂質及びその代謝産物であるセラミドの生物機能に関して、出芽酵母をモデル生物として解析を行った。具体的な成果として、(1)特定の複合スフィンゴ脂質、ホスホイノチシド、ホスファチジルセリンという複数のリン脂質の代謝異常は、酵母の生命維持機構(おそらく細胞内小胞輸送系)に重大な影響を及ぼすことが明らかとなった、(2)複合スフィンゴ脂質及びホスファチジルセリンが協調的に機能することで、特異的な細胞内輸送経路(初期エンドソームからゴルジ体への小胞輸送)を調節していることが初めて明らかとなった、(3)酵母遺伝学を用いた解析より、セラミドの水酸化や脂肪酸の鎖長の状態が、その生理活性を決定する上での重要な構造ファクターであることがわかった。
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