神経外胚葉が二次軸形成因子に対して抵抗性を持つメカニズムを明らかにするため、ウニ胚を用いて神経外胚葉特異的転写因子であるFoxQ2の下流因子の機能解析を行った。その結果、FoxQ2阻害胚のマイクロアレイにより転写調節因子であるFezを単離した。その機能阻害実験の結果により、二次軸形成因子の一つであるBMP2/4シグナルをFezが細胞内で抑制することにより、神経外胚葉が非神経外胚葉に分化することを防いでいることを明らかにした。また、発生時間をずらして詳細に解析することで、このイベントは間充織胞胚期に行われていることが明らかになった。さらに、このことは神経外胚葉のSpecificationに必要なFoxQ2がその下流因子の一つを利用して非神経外胚葉化シグナルを抑制し、自身の領域サイズを維持していることを示している。
|