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2010 年度 実績報告書

キネシン及び細胞骨格制御による腎臓発生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21770232
研究機関熊本大学

研究代表者

寺林 健  熊本大学, 発生医学研究所, COEリサーチ・アソシエイト (40452429)

キーワード腎臓発生 / キネシンスーパーファミリー蛋白質 / 細胞骨格 / 微小管 / 細胞接着
研究概要

Kif26bノックアウトマウスは腎臓欠損という表現型を示す。これは腎臓発生の初期に見られる尿管芽の後腎間葉への侵入が起こらないことに起因するが、Kif26bがどのように尿管芽侵入を制御するのか、そのメカニズムは明らかになっていなかった。さらにKif26bの分子機能もこれまで明らかになっていない。本研究課題において、Kif26bノックアウトマウスでは尿管芽に直に接する後腎間葉の細胞形態に異常があること、後腎間葉から放出される尿管芽誘引因子であるGDNFの発現が減少していることが見出された。さらにKif26bの結合タンパク質の探索を行い、アクチン結合タンパク質であるNMHCIIBを同定した。Kif26bを293細胞に過剰発現させると細胞は凝集塊を形成するようになるが、NMHCIIBのノックダウン、または特異的阻害剤で処理すると凝集塊は形成されない。さらにN-cadherinをノックダウンしても凝集塊は形成されないことから、Kif26bによる凝集塊形成はNMHCIIBと細胞間接着分子を介して行われていることが示された。またKif26bは微小管に結合するもののATPase活性は有しておらず他のキネシンファミリー蛋白質のようにモーター分子として機能しないこと、Kif26bの細胞内局在は微小管によって規定されていることも見出された。後腎間葉でのGDNFの発現はintegrin α8から始まるシグナル伝達により制御されており、Kif26b欠失後腎間葉ではintegrin α8の局在に異常が見られた。これらの結果は、微小管に基づくKif26bによる後腎間葉細胞間接着の制御がintegrin α8を介したGDNFの発現に必要であることを示唆しており、Kif26bノックアウトマウスの表現型を説明し得るものである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Nucleoredoxin sustains Wnt/β-catenin signalling by retaining a pool of inactive Dishevelled protein.2010

    • 著者名/発表者名
      船戸洋佑
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 20 ページ: 1945-1952

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kif26b, a kinesin family gene, regulates adhesion of the embryonic kidney mesenchyme.2010

    • 著者名/発表者名
      内山裕佳子
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA

      巻: 107 ページ: 9240-9245

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nucleoredoxin negatively regulates Toll-like receptor 4 signaling via recruitment of Flightless-I to Myeloid differentiation prinlary response gelle (88).2010

    • 著者名/発表者名
      林達也
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 285 ページ: 18586-18593

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Par1b/MARK2 phosphorylates kinesin-like motor protein GAKIN/KIF 13B to regulate axon formation.2010

    • 著者名/発表者名
      吉村祐太
    • 雑誌名

      Molecular Cellular Biology

      巻: 30 ページ: 2206-2219

    • 査読あり
  • [学会発表] Sall1 is involved in maintenance of nephron progenitors.2010

    • 著者名/発表者名
      寺林健
    • 学会等名
      日本発生生物学会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都)
    • 年月日
      2010-06-21
  • [学会発表] Sall1 is involved in maintenance of nephron progenitors through regulation of Six2.2010

    • 著者名/発表者名
      寺林健
    • 学会等名
      International Symposia on "Cell Fate Regulation by Kumamoto University COE and Academia Sinica"
    • 発表場所
      Academia Sinica(台北)台湾
    • 年月日
      2010-04-09
  • [備考]

    • URL

      http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/divisions/integrative_cell_biology/publications.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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