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2010 年度 実績報告書

TCP型転写因子を介したイネのフロリゲンHd3aの機能メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 21780004
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

辻 寛之  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (40437512)

キーワードフロリゲン / 花芽形成 / TCP型転写因子
研究概要

フロリゲンは長距離移動性の花成誘導刺激としてその存在が提唱され、2007年にその分子実体がHd3a/FTタンパク質であることが明らかとなった。Hd3aは葉で発現した後、茎頂まで長距離移動し、花芽形成を開始させる。しかしHd3aが茎頂において花成を開始させる分子メカニズムはほとんど分かっていない。Hd3a自体には生化学的機能を予想できるドメイン構造などが存在しないため、転写因子などをはじめとする機能分子とタンパク質複合体を形成して機能していると考えられる。本研究ではTCPファミリー転写因子の中にHd3aと相互作用するタンパク質を見いだしたので、その機能解析を進めた。
Kd3aと相互作用するOsTCP8及びOsTCP14について、過剰発現イネ、RNAiによる発現抑制イネを作出し、表現型を観察したところ、一部の形質転換イネにおいて花成の遅延が観察された。さらに両TCP遺伝子の両方を発現抑制できるRNAiベクターを構築しイネに形質転換したので、その表現型を解析している。また、Hd3aとOsTCP8もしくはOsTCP14の複合体が形成されるメカニズムを解析した。専攻研究の結果から、14-3-3タンパク質がフロリゲンHd3aの細胞内受容体として機能することが示されている。Hd3aははじめ14-3-3タンパク質と相互作用し、Hd3a-14-3-3の形で核移行してbZIP型転写因子OsFD1と複合体形成することが示されている。そこでHd3aとTCPの相互作用も14-3-3タンパク質を介在しているかどうかを調べるために、14-3-3タンパク質との相互作用能を失った変異型Hd3aとOsTCP8及びOsTCP14の相互作用を調査した。その結果、14-3-3と相互作用できないHd3aはOsTCP8及びOsTCP14とも相互作用できないことが分かった。従って、Hd3a-OsTCPの相互作用も14-3-3を介していると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Regulation of flowering in rice : two florigen genes, a complex gene network, and natural variation.2011

    • 著者名/発表者名
      Tsuji, H., Taoka, K.-I., Shimamoto, K.
    • 雑誌名

      Curr.Opin.Plant Biol.

      巻: 51 ページ: 58-67

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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