研究概要 |
ユーラシア大陸全域に亘って分布する栽培オオムギは,多様な品種群を分化させていることが古くから知られている.本研究では,東アジアに分布する'東亜型'オオムギが,東アジア特有の湿潤な環境というストレスに対して,進化的に獲得した適応メカニズムについて分子遺伝学的に解析した.世界中の栽培オオムギ品種群について,発芽時耐水性を評価しその耐性程度とゲノム多型から推定される集団構造との関係を詳細に解析し,東アジアの中でも極東アジア(中国,朝鮮半島,日本)の品種群が,適応的に種子の耐水性を獲得した可能性を示した.
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