アレチオグルマの生産する植物生長阻害物質ならびに昆虫摂食阻害物質の単離・同定は、2009年8月にアメリカ合衆国ミシシッピ州で採集した植物から調製した抽出物からフラッシュ精製システムを用いた分画を行い、カラメネン型セスキテルペン類を得た。これらはハスモンヨトウ幼虫に対して摂食阻害活性を示し、本種の植食性昆虫に対する抵抗物質と考えられた。同時に成長段階の異なる植物の緒特性について、ミシシッピ州産と日本のガラス温室での栽培個体についてトリコーム密度ならびに滲出物の量と質についてGCMSを用いた定量分析を行い比較した。その結果、植物の成長段階が進むにつれ、植食性昆虫からの物理的障壁となるトリコーム密度は減少し、滲出物量が多くなることがわかった。その後、滲出物量は開花期に最大となりこの頃にはケトンやアルコールといった多様なセスキテルペンを含むようになることが判明した。このことから本種は、物理的防御から化学的防御へ変化する戦略をとることが伺える。この化学抵抗因子は生育土壌の貧栄養状態の時、その量が増加した
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