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2011 年度 実績報告書

日本産マタタビ属植物における『一歳性』および遺伝的多様性の解明とその育種的利用

研究課題

研究課題/領域番号 21780023
研究機関九州大学

研究代表者

酒井 かおり  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30403976)

キーワードマタタビ属植物 / 開花・結実 / 遺伝的多様性 / 一歳性
研究概要

低樹高開花性のサルナシ(Actinidia arguta)は日本では『一歳サルナシ』と呼ばれているが,その開花特性や育成過程は明らかになっていない.
日本に自生するマタタビ属植物における『一歳性』個体の探索と遺伝的多様性の解明を行うため,サルナシ47系統(青森県産,秋田県産,山形県産,岩手県産,新潟県産,福岡県産および宮崎県産),ウラジロマタタビ7系統(福岡県産および宮崎県産),マタタビ17系統(山形県産,福島県産,福岡県産,大分県産および宮崎県産)およびミヤママタタビ11系統(北海道産)の緑枝挿木苗を供試して,開花までの期間および生長量を調査した.サルナシの宮崎産1系統と採取地不明の1系統およびミヤママタタビ3系統が,挿木後2年以内に樹高30cm以下で開花した.倍数性はフルーサイトメーターにより,葉緑体DNAbPCR-RFLPを用いて調査した.低樹高開花したサルナシ宮崎系統は四倍体,採取地不明系統は六倍体であった.葉緑体DNAのrわcL領域をPCR-RFLP分析により分析したところ,サルナシでは2つの多型がみられ,低樹高開花性系統のうち,宮崎系統は南日本型,採取地不明の系統は北日本型を示した.
以上のことから,日本には低樹高開花性をもつサルナシが北日本と南日本の両方に自生していることが明らかになった.寒冷地に自生するミヤママタタビでは他の種よりも高い割合で低樹高開花性系統が含まれていたこと,宮崎産の低樹高開花性系統の自生地は標高1000メートル付近の山地であることから,低樹高開花性は寒冷な地域に適応するためにマタタビ属植物が獲得した形質である可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Geographical diversity in ploidy level and chloroplast DNA of Japanese Actinidia2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro KURODA, Kaori SAKAI, Takashi HAJI and Akira WAKANA
    • 雑誌名

      Acta Horticulturae

      巻: 913 ページ: 175-179

    • 査読あり
  • [学会発表] Precocious flowering of Actinidia arguta2012

    • 著者名/発表者名
      K.Sakai, et al
    • 学会等名
      The second International Symposium on Biotechnology of Fruit Species (Biotechfruit 2012)
    • 発表場所
      Nelson, New Zealand
    • 年月日
      2012-03-26

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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