バラ科果樹のニホンナシを材料に、糖アルコールであるソルビトールが自発休眠の維持にどのような役割を果たしているかを解明するため、休眠期間中の花芽および枝を供試して、糖含量、およびソルビトールとスクロース代謝酵素の活性の変化を調査した。その結果、ニホンナシの花芽および枝では、休眠期間中に非常にドラスティックな糖の動態変化が起こっており、休眠ステージに応じてソルビトールおよびスクロースの代謝が調節されていることが明らかとなった。また、糖の投与実験により、ソルビトールには花芽の発育を抑制する働きがある可能性が示唆された。
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