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2009 年度 実績報告書

モデル植物の知見を利用した土壌伝染性病害に対するハクサイの網羅的遺伝子発現解析

研究課題

研究課題/領域番号 21780038
研究機関岡山県農林水産総合センター生物科学研究所

研究代表者

鳴坂 真理  岡山県農林水産総合センター生物科学研究所, 岡山県生物科学総合研究所, 研究員 (80376847)

キーワードマイクロアレイ / 植物 / ストレス / 植物免疫 / 土壌病害 / シグナル伝達 / ハクサイ / 遺伝子発現解析
研究概要

難防除である土壌伝染性病害の根こぶ病、黄化病などの攻撃に対するハクサイの根部および地上部の防御応答を、モデル実験植物の情報を利用しつつ、代表者が整備したハクサイゲノムリソースと、これを用いたハクサイマイクロアレイ解析により明らかにし、根部における病害防御応答を中心に重要遺伝子および、マーカー遺伝子を得、その機能解析を行った。約5,000の完全長cDNAクローンを含む8KハクサイcDNAマイクロアレイを構築した。本アレイを用いて、サリチル酸ナトリウム、エテフォン、メチルジャスモン酸、BTH処理に対する遺伝子発現解析を行い、病原菌に対するハクサイの主たる防御シグナル伝達経路であるサリチル酸(SA)、エチレン(ET)およびジャスモン酸(JA)経路に位置するマーカー遺伝子および病害防御応答遺伝子を探索した。まず、ハクサイマイクロアレイ解析による遺伝子発現プロファイルとシロイヌナズナのデータの比較解析を行った。その結果、薬剤処理したシロイヌナズナとハクサイのグローバルな遺伝子発現プロファイルは類似していた。一方、個々のカウンターパート遺伝子においては、両者で同様な発現プロファイルを示すものと、異なる発現プロファイルを示すものが認められた。また、ハクサイのマーカー遺伝子として、SA経路はPR-1、BGL2、ET/JA経路はPOF1.2、JA経路はVSP2、LOX2、AOS遺伝子が同定された。次いで、ハクサイ根ESTライブラリーから抽出した10Kハクサイ根マイクロアレイ(ユニークなクローンは5K)を構築した。土壌伝染性病害である根こぶ病菌を接種したハクサイ抵抗性および感受性品種における根の遺伝子発現を解析した結果、3倍以上の発現を示した遺伝子は抵抗性品種で30遺伝子、感受性品種で21遺伝子であった。また、感受性品種で発現する遺伝子のほとんどは抵抗性品種に含まれ、かつ、強く発現していた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Monitoring fungal viability and development in plants infected with Colletotrichum higginsianum by quantitative reverse transcription-polymerase chainreaction.2010

    • 著者名/発表者名
      Narusaka M.
    • 雑誌名

      Journal of General Plant Pathology VOL.76

      ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RRS1 and RPS4 provide a dual Resistance-gene system against fungal and bacterial pathogens.2009

    • 著者名/発表者名
      Narusaka M.
    • 雑誌名

      The Plant Journal VOL.60

      ページ: 218-226

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A locus conferring resistance to Colletotrichum higginsianum is shared by fourgeographically distinct Arabidopsis accessions.2009

    • 著者名/発表者名
      Birker D.
    • 雑誌名

      The Plant Journal VOL.60

      ページ: 602-613

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A dual resistance gene system prevents infection by three distinct pathogens.2009

    • 著者名/発表者名
      Narusaka M.
    • 雑誌名

      Plant Signaling & Behavior VOL.4

      ページ: 954-955

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Jasmonate-dependent plant defense restricts thrips performance and preference.2009

    • 著者名/発表者名
      Abe H.
    • 雑誌名

      BMC Plant Biology VOL.9

      ページ: 97-108

    • 査読あり
  • [学会発表] 新説デュアルR-遺伝子システムによる病原体認識機構:RPS4とRRS1による異なる3種の病原体の認識2010

    • 著者名/発表者名
      鳴坂真理
    • 学会等名
      第51回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本)
    • 年月日
      20100318-20100321
  • [学会発表] 新説デュアルR-遺伝子システムによる病原体認識機構:2つのR蛋白質による3種の病原体の攻撃の認識2010

    • 著者名/発表者名
      鳴坂義弘
    • 学会等名
      第51回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本)
    • 年月日
      20100318-20100321
  • [学会発表] 新説デュアルR-遺伝子システムによる病原体認識機構:RPS4とRRS1による異なる3種の病原体の認識2009

    • 著者名/発表者名
      鳴坂真理
    • 学会等名
      第26回岡山植物病理セミナー
    • 発表場所
      岡山大学(倉敷)
    • 年月日
      2009-12-19
  • [産業財産権] 複数の病害に対して抵抗性を示す植物及びその作出法2009

    • 発明者名
      鳴坂義弘、鳴坂真理、白須賢
    • 権利者名
      岡山県、理化学研究所
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2009/063474
    • 出願年月日
      2009-07-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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