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2011 年度 実績報告書

新規ピレスロイド代謝酵素の機能解析ならびに特異的農薬開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21780049
研究機関九州大学

研究代表者

山本 幸治  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (00346834)

キーワード応用昆虫 / 分子生物学 / 農薬
研究概要

平成23度は,カイコ由来omega-class GST (bmGSTO)の活性触媒に関与するアミノ酸残基を部位特異的アミノ酸置換法により同定した.bmGSTOは,GST活性,dehydroascorbate reductase活性,peroxidase活性を発現する酵素である.bmGSTOアミノ酸配列中の38番目Cysならびに39番目ProをAlaに置換した変異体を組換え酵素として大腸菌を用いて作製した.それぞれの変異体酵素を硫安分画,陰イオン交換クロマトグラフィーそしてゲル濾過クロマトグラフィーの各手法を用いて電気泳動的に均一に精製した.精製後にbmGSTOが有するGST活性。dehydroascorbate reductase活性,peroxidase活性を測定した.その結果,それぞれの活性の大幅な低下が観察され,両残基はbmGSTO活性発現に影響を与えることが示唆された.さらに,カイコ5齢幼虫に農薬,紫外線,大腸菌を作用させた後,増加するbmGSTO mRNAの誘導をリアルタイムPCRにより,活性酸素量の増力は蛍光を用いて測定した.その結果,bmGSTO mRNA量の増加ならびに活性酸素量の増加が確認された.以上,誘導増加したbmGSTOは,各種stressorにより増加した生体内活性酸素の解毒に関与する可能性が得られた.
また,グルタチオンそして基質結合部位を明らかにすることを目的とし,カイコ由来delta-class GST (bmGSTD)の結晶化を行った.sitting-drop蒸気拡散法によりbmGSTDの結晶を作製することに成功した.この結晶を用いてX線解析実験を行い,分解能2.0Åの回析データを得た.分子置換法により位相を決定し,bmGSTDの三次構造を決定した.この構造をもとにSerll, Gln51, His52, Ser67そしてArg68が活性に関与していることが示された.現在,bmGSTDのグルタチオン結合そして,基質結合部位を解析中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Crystallographic survey of active sites of an unclassified glutathione transferase from Bombyx mori2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshimitsu Kakuta, Kazuyuki Usuda, Takashi Nakashima, Makoto Kimura, Yoichi Aso, Kohji Yamamoto
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta

      巻: 1810 ページ: 1355-1360

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of an omega-class glutathione S-transferase in the stress response of the silkmoth2011

    • 著者名/発表者名
      Kohji Yamamoto, et al
    • 雑誌名

      Insect Mol Biol

      巻: 20(3) ページ: 379-86

    • DOI

      10.1016/j.cbpc.2008.10.108

    • 査読あり
  • [学会発表] カイコ成虫トロンビン様プロテアーゼの精製法の再検討2012

    • 著者名/発表者名
      福森寿善・伴野豊・山本幸治・麻生陽一
    • 学会等名
      蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2012-03-19
  • [学会発表] 昆虫プロスタグランジン合成酵素の機能と構造2011

    • 著者名/発表者名
      山本幸治, ら
    • 学会等名
      平成23年度日本結晶学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2011-11-24

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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