研究課題
昆虫は一般に振動に対して敏感であることが知られているが、振動に対する行動反応性及び振動検知のための感覚受容器の知見はコウチュウ目において極めて少ない。マツノマダラカミキリ成虫を用いて、この問題に取り組んだ。まず、振動刺激の周波数と振幅を変えて与えたところ、本種が静止している時には低周波成分(1kHz以下)に対して自発運動の停止(フリージング)や発音などの行動反応を敏感に示した。並行して、脚部の組織学的観察をしたところ、感覚細胞群が細長い弦を介して脛節基部に付着する腿節内弦音器官をコウチュウ目で初めて同定した。さらに、腿節内弦音器官を全ての脚について除去した個体は、低周波の振動刺激に対するフリージングを歩行中に示さなかった。以上の結果から、腿節内弦音器官が低周波の振動を受容することが明らかになった。
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