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2011 年度 実績報告書

ミカンキジラミ体内におけるカンキツグリーニング病原細菌の局在及び増殖部位の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21780051
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

井上 広光  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所・カンキツ研究領域, 主任研究員 (80414663)

キーワード昆虫 / 植物病 / 病原細菌 / 細胞・組織 / in situハイブリダイゼーション / 伝搬
研究概要

カンキツグリーニング病の媒介虫ミカンキジラミは、病原細菌を体内に保毒しても必ずしも伝搬するわけではない。このような非伝搬性保毒虫の体内においても極めて高濃度の病原細菌が検出されることから、口器を通した細菌の吐き出し(伝搬)には直接関係しない中腸等の腹部消化管にも病原細菌が定着し、顕著に増殖することが強く疑われていた。そこで、保毒虫体内における病原細菌の局在部位を明らかにするために、伝搬試験によって伝搬能力の有無を個体別に確認した保毒虫について、in situハイブリダイゼーション法(ISH)による病原細菌遺伝子の原位置検出を試みた。病原細菌16SリボソームRNAに相補的に結合するジゴキシゲニン標識オリゴヌクレオチドプローブを設計し、虫体組織切片中の病原細菌を特異的に検出するISH実験系を確立した。非伝搬性保毒虫サンプルの体内において病原細菌を示す強いシグナルは、濾過室(filter chamber)や中腸といった消化管のほか、卵巣にも検出された。濾過室は、カメムシ目昆虫のヨコバイ亜目や腹吻群に特有の器官で、吸汁した植物汁液から多量の水分を後腸へバイパスさせて、アミノ酸等の栄養分を濃縮した液体を中腸へ送る働きをする。師管液とともに病原細菌を吸汁した保毒虫では、伝搬能力の有無にかかわらず、濾し取られて濃縮された病原細菌が濾過室や中腸に定着するものと考えられた。また本媒介虫では、病原細菌は保毒雌成虫から次世代へ垂直(経卵)感染しないと考えられてきたが、低率ながら垂直感染することが2010年に報告されている。消化管から卵巣への病原細菌の移行過程は不明であるが、本研究で卵巣に病原細菌が見いだされたことは、垂直感染を組織学的に裏付けるものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ミカンキジラミ体内におけるカンキツグリーニング病原細菌の原位置検出2012

    • 著者名/発表者名
      井上広光
    • 学会等名
      日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2012-03-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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