研究課題
平成22年度および23年度に引き続き、国内の各地で野外調査を実施し、タマバエ科害虫、および、その近縁種の発生状況や寄主植物の調査、および、天敵である寄生蜂類の探索などを実施した。日本国内で問題となっているタマバエ科害虫の種の同定や分類学的研究を実施するとともに、害虫およびその近縁種の生理生態特性や、タマバエ類の有効寄生蜂の探索を実施した。カズラの送粉を担うResseliella属タマバエおよびクズの葉にゴールを形成するPitydiplosis属タマバエの新種記載論文を発表するとともに、ランツボミタマバエContarinia maculipennisの加害寄主範囲に関する新知見を報告した。また、タマバエおよび寄生蜂類に関する知見が乏しかった伊豆諸島の御蔵島と青ヶ島、および、三宅島と八丈島におけるタマバエ相を明らかにし、2編の論文としてまとめた。以上5編の論文に加え、害虫を中心としたタマバエ類の分類や生態、成虫の羽化時期や植物フェノロジーとの同時性、寄生蜂の同定や寄生率と寄生蜂群集構造、環境変動がタマバエ個体群に及ぼす影響に関する報告など、国内の学会大会において、6件を発表した。一連の調査、実験、観察を通して、害虫種を中心とするゴール形成性タマバエ類の包括的分類体系の構築と、生理生態特性の解明による新規防除技術を確立するために有益な知見が多数得られた。今後も当該課題における成果を順次学術雑誌に報告していく。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件)
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