NAD(H)とNADP(H)の機能の違いとその諸機能が生命現象に与えるインパクトの大きさから、NADP(H)の合成および分解系の理解は重要である。本研究では、特に出芽酵母由来NADPH合成酵素(NADHキナーゼ:NADHK,Pos5)とNADHとの複合体の立体構造を、X線結晶構造解析により初めて分解能2.0Åで決定した。本構造を、構造既知のヒトおよび細菌由来NADP^+合成酵素(NADキナーゼ)の立体構造と比較するなどして詳細に解析した結果、Pos5のArg293が、Pos5が高いNADHキナーゼ活性を示す構造要因の一つと推察された。
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