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2009 年度 実績報告書

ポリリン酸による代謝経路の調節機構解明と発酵プロセス制御への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21780075
研究機関広島大学

研究代表者

廣田 隆一  広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (90452614)

キーワードポリリン酸 / PhoU / 硝酸呼吸 / ポリリン酸合成酵素 / LpdA / 代謝制御 / 大腸菌 / リン酸レギュロン
研究概要

本年度は大腸菌におけるポリリン酸蓄積と代謝活性変化との関係を調べるために、ポリリン酸を高蓄積するPhoU破壊株について生化学的なデータの取得を行った。マイクロアレイ解析の結果から、PhoU破壊株において硝酸呼吸関連遺伝子の発現が上昇することが確認されていた。そこでPhoU破壊株の硝酸呼吸活性の測定を行った。その結果、PhoU破壊株は好気的な培養条件にも関わらず硝酸呼吸活性が大きく上昇していることが明らかになった。ポリリン酸合成酵素(PPK)およびPstの過剰発現によってポリリン酸を強制的に蓄積させる条件では硝酸呼吸は活性化されず、また、嫌気的な培養により硝酸呼吸活性を上昇させた野生株においてもポリリン酸蓄積の上昇は確認されなかった。これらの結果から、硝酸呼吸経路はPhoUによってポリリン酸蓄積とは独立に制御されていることが分かった。つまり、PhoUにはこれまで知られていたリン酸レギュロンの制御以外の機能を有している可能性が示唆された。次に、ポリリン酸による中央代謝経路制御の可能性を調べるために、まずPPKとピルビン酸デヒドロゲナーゼおよびケトグルタル酸デヒドロゲナーゼの共通のサブユニットであるLpdAの相互作用を調べた。ヒスチジンタグを付加したPPKを野生株菌体内に発現させ、Ni-NTAレジンを用いたPull-down解析により細胞抽出液からPPK複合体を精製した。LpdAの結合状態をポリリン酸蓄積時および非蓄積時において比較したところ、LpdAとPPKの結合はポリリン酸蓄積時に増加しており、ポリリン酸の合成と関連している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] The gene yjbB, encoding a protein with PhoU domains, reduces the levels of polyphosphate in Escherichia coil.2009

    • 著者名/発表者名
      本村圭、大中信輝、廣田隆一、黒田章夫
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-12
  • [学会発表] 大腸菌のポリリン酸蓄積とストレス応答2009

    • 著者名/発表者名
      廣田隆一、黒田章夫
    • 学会等名
      日本微生物生態学会シンポジウム
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2009-11-23
  • [学会発表] 好熱性細菌Thermus thermophilusにおけるポリリン酸合成の生理機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      廣田隆一、田畔麻司、本村圭、黒田章夫
    • 学会等名
      日本生物工学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-09-23
  • [学会発表] 微生物によるリンの濃縮と資源化2009

    • 著者名/発表者名
      黒田章夫、廣田隆一
    • 学会等名
      水環境学会シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-09-15
  • [図書] リン資源の回収と有効利用(微生物のポリリン酸蓄積機構解明とリン濃縮への利用)2009

    • 著者名/発表者名
      黒田章夫、廣田隆一、本村圭
    • 総ページ数
      390

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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