研究概要 |
本研究課題ではRNAヘリカーゼによるmiRNAプロセシング調節機構を解明するため、ショウジョウバエを用いた、1)miRNAプロセシングに関与する新規RNAヘリカーゼ分子の探索、2)RNAヘリカーゼ間の遺伝学的相互作用の解析、3)RNAヘリカーゼの相互作用分子(RNA,タンパク質)の同定、など生化学的・遺伝学的手法による解析を目指した。 1)ショウジョウバエ分子遺伝学によるmiRNAプロセシングに関わる新規RNAヘリカーゼの探索ショウジョウバエ背側形成を指標とし、dsRNAノックダウン系統を用いたスクリーニングを行い、機能未知RNAヘリカーゼ2種の同定に成功した。 2)RNAヘリカーゼ間の遺伝学的相互作用の解析平成21年度に終了 3)RNAヘリカーゼの相互作用分子(RNA,タンパク質)の同定 昨年度までに、1,2)にて生育に必須なRNAヘリカーゼとして同定した機能未知CG1666/dDdx56の同定に成功した。さらなる機能解析の結果、dDdx56のだ腺多糸染色体上での免疫染色を行った結果、活性化クロマチン構造に局在する事、ノックダウンを行うと多糸染色体クロマチン構造が壊れる事を見出した。さらに、だ液腺特異的にノックダウンした際、だ液腺の縮小、脂肪細胞(fat body)の肥大化が観察された。dDdx56はデータベース上でのマイクロアレイの結果からユビキタスに発現する事が分かっており、本研究成果より、クロマチン上での機能を介して組織特異的な機能を有する可能性が推察された。
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