1)C_<35>テルペンの新規生合成酵素の取得 (1)マイコバクテリア由来のプレニル還元酵素(PR)の解析:pCold系による大腸菌発現では、発現量と可溶性に問題があったので、現在pMAL系の発現ベクターへクローニングし、酵素活性が検出できる条件を検討中である。 (2)マイコバクテリア由来の新型C_<35>テルペン環化酵素(Cyc1)の探索:2種類の候補遺伝子の大腸菌発現系を構築し、酵素活性を検出できる条件を検討している。 (3)枯草菌由来の新型C_<35>テルペン環化酵素(Cyc2)の探索:単環性C_<35>テルペンを生産しない枯草菌遺伝子破壊株を見出していた。本年度、候補遺伝子の大腸菌発現系を構築し、酵素活性を検出することができた。既知のテルペン環化酵素に保存されているモチーフは存在しておらず、新しいファミリーの酵素であった。また、Cyc2ホモログは様々な細菌に存在しており、C_<35>テルペンは細菌に広く分布していることが示唆された。 (4)枯草菌由来の5環性C_<35>テルペン環化酵素(Cyc3)の解析:大腸菌で発現した組換えCyc3を用いて、大量に酵素反応を行い、生成物の単離・構造決定を行った。精製酵素を用いたin vitro反応によって初めてCyc3を同定できた。また、Cyc3はスクアレンと反応しないと報告されていたが、2環性トリテルペンを生産することが判明し、B.megateriumでは実際にスクアレンとそのトリテルペンを生産することを見出した。現在、他のバチルス属細菌のゲノムからも同様の手法でクローニングし、機能解析を行っている。 2)新規C_<35>テルペンの探索および生理機能・生物活性の解析 Mycobacterium vanbaaleniiを合成培地にて培養した時に生産される新規C_<35>テルペンを各種クロマトグラフィーによって単離している。また、現在まで単離してきたC_<35>テルペンの抗ガン活性試験を行っている。
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