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2011 年度 実績報告書

イネ科植物における珪酸ガラス形成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21780113
研究機関秋田県立大学

研究代表者

尾崎 紀昭  秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (50468120)

キーワードイネ / 珪酸 / 電子顕微鏡 / バイオミネラル / 有機基質
研究概要

本研究の目的は、イネ科植物にとって重要な珪酸ガラス形成(シリカ重合)の分子メカニズムを明らかにすることである。特にシリカ重合に関与する有機物を探索することが主目的である。平成23年度の研究実施計画に照らし、以下の2点に関して、23年度中に行った研究の概要を示す。
1)ファン型シリカからの有機物の抽出とその分析
昨年度考案した、穏和な条件で葉からシリカを単離する方法を用いて大量のシリカを単離した。その後、フッ化水素酸でシリカを溶解し、透析・凍結乾燥を行うことにより、有機物を単離した。この有機物は既に分子量が2000程度のアミノ基を有する物質(シリカ関連物質:SAMと命名)であることが予想されていたが、本年度はSAMの性状を調べた。SDS-PAGEを詳細に行った結果、SAMは酸性多糖とアミノ基を持つ化合物の混合物であることが分かった。また、SAMを含む画分にはin vitroでケイ酸重合を促進する活性を有することが明らかになった。イネ科植物では初めての報告である。本活性は珪藻のガラス形成に関与する有機物にも見られることから、イネのシリカ重合には珪藻同様に有機物が関与している可能性が強く示唆された。本成果については第6回バイオミネラリゼーションワークショップで報告した。現在、構造解析に向けてHPLCを用いたSAM構成成分の分離・精製を行っている。
2)シリカ沈着部位の電子顕微鏡観察
昨年度2月末に納入された超高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、シリカ形成細胞の特定を行った。葉の表面は大部分がシリカで覆われていたが、葉の断面においては、表層近くの機動細胞と呼ばれる細胞にのみ、珪酸が多く分布していることがSEM-EDX(エネルギー分散型X線回折)により明らかとなった。また珪酸濃度の上昇は出穂期以降、急激に起こることが電顕レベルでも確認された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] イネ(あきたこまち)の葉身由来ファン型ケイ酸体に含まれる有機物の探索2011

    • 著者名/発表者名
      尾崎紀昭・大澤章良・岡野桂樹
    • 学会等名
      第6回バイオミネラリゼーションワークショップ
    • 発表場所
      東京大学農学部弥生講堂
    • 年月日
      2011-12-03
  • [備考]

    • URL

      http://www.akita-pu.ac.jp/stic/souran/scholar/detail.php?id=24

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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