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2009 年度 実績報告書

ブラシノステロイド生合成酵素の種実生産における役割と系統発生

研究課題

研究課題/領域番号 21780116
研究機関宇都宮大学

研究代表者

野村 崇人  宇都宮大学, 雑草科学研究センター, 准教授 (60373346)

キーワード植物ホルモン / ブラシノステロイド / ブラシノライド / 生殖生長 / イネ / トマト / 進化
研究概要

ブラシノステロイド(BR)は植物の伸長生長に必須のステロイドホルモンである。その中でもブラシノライド(BL)は高い活性をもつ天然の活性型BRである。BLはコムギやイネなどの穀物に対する顕著な増収効果があり、また、花粉や種子などの生殖器官に多く含まれることも知られている。それらのことからBLが生殖器官の発達に重要な役割を果たしていることは明らかであるが、その分子メカニズムの解明は進んでいない。本研究では、申請者が明らかにしたBL合成酵素に注目し、重要作物の種実生産におけるBLの役割の解明を試みている。さらに、BL合成酵素が系統発生的にどのように進化してきたのかについても追究している。本年度は、イネおよびトマトにおいてBL合成酵素遺伝子を過剰発現させ、BLを過剰に合成させることにより、種実肥大などが起きるかについて追求した。トマトのBL合成酵素CYP85A3伝子を導入したイネにおいて、葉身が顕著に屈曲した形質転換体が得られた。それらについて内生BR分析を行ったところ、実際にBLを過剰に生産していることが確認された。これまで、BLを生産しているイネは発見されていなかったが、当該形質転換体の種子形成に影響は見られなかった。関連する研究として、イネからBR依存的に葉身屈曲を制御する新しい遺伝子を同定した。また、トマトについてはBR欠損変異体dに対してCYP85A3遺伝子過剰発現体を作出した。背丈の低いd変異体はBL過剰生産によりその生長が回復したが、果実が肥大することはなかった。しかしながら、果実においてBLが過剰生産されているかどうかはまだ確認していない。系統発生的な研究に関しては、進化基部に位置しており、BR合成酵素遺伝子が保存されていないコケやシダが種子植物と同様なBRを生産していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] BRASSINOSTEROID UPREGULATED 1, Encoding a Helix-Loop-Helix Protein, is a Novel Gene Involved in Brassinosteroid Signaling and Controls Bending of the Lamina Joint in Rice2009

    • 著者名/発表者名
      Atsunori Tanaka, et al.
    • 雑誌名

      Plant Physiology 151

      ページ: 669-680

    • 査読あり
  • [学会発表] イネのブラシノステロイド生合成遺伝子の発現に対する光の影響2010

    • 著者名/発表者名
      朝比奈雅志, ら
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20100318-20100321
  • [学会発表] bHLH型転写因子をコードするイネの2種のブラシノステロイド誘導性遺伝子の機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      田中惇訓, ら
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20100318-20100321
  • [学会発表] ヒメツリガネゴケが生産するステロイドホルモン2009

    • 著者名/発表者名
      野村崇人, ら
    • 学会等名
      植物化学調節学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20091029-20091030
  • [学会発表] シダ植物に含まれるブラシノステロイドとその特徴2009

    • 著者名/発表者名
      横田孝雄, ら
    • 学会等名
      植物化学調節学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20091029-20091030
  • [図書] 新しい植物ホルモンの科学 第2版2009

    • 著者名/発表者名
      小柴共一、神谷勇治 編
    • 総ページ数
      114-135
    • 出版者
      講談社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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