研究課題
エイジングの進展とオートファジーの活性は逆相関にあると言われる。抗酸化剤であるビタミンEはアンチエイジングと関係するとみなされている。今回、単離肝細胞とラット肝癌H4-II-E細胞でビタミンEが新規の栄養性オートファジー促進因子として認められた。オートファジーの新指標である細胞質LC3比法(Cytosolic LC3 Ratio)によりビタミンEの促進効果が認められたことから、ビタミンEの作用はオートファゴソーム形成段階であるLC3転換反応に作用することが示唆された。これらの細胞では、典型的な抗酸化剤であるα-リポ酸がオートファジーを抑制し、一方H_2O_2が促進したことから、酸化ストレスはオートファジーを促進し、抗酸化効果はこれを阻止することが明らかである。今回、ビタミンEはH_2O_2による促進を阻止するのではなく、さらに増加させたことから、その作用機構としては抗酸化作用によるのではなく、別のシグナリング作用によって促進効果を持つことが示唆された。
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Biochemical and Biophysical Research Communications 394
ページ: 981-987
Special issue of bulletin of the Faculty of Agriculture, Niigata University, Proceedings
ページ: 1-13