• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

前立腺がん進行機序の解明と食品成分による抑制作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21780132
研究機関大阪府立大学

研究代表者

原田 直樹  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (00529141)

キーワード前立腺がん / アンドロゲン受容体 / レスベラトロール
研究概要

(1) 男性ホルモンをリガンドとしたアンドロゲン受容体(AR)の転写因子としての機能は,前立腺がん予防や治療の標的として考えられている.抗アンドロゲン治療後に再発した前立腺がんにおいては,リガンド非依存的なARの活性が認められるが,その活性化機構に関しては不明な点が多い.本研究により,前立腺がん細胞株LNCaPにおいて,ARのC末端側に位置するリガンド結合ドメイン(LBD)を欠損したARΔLBDの発現を見出した.このARΔLBDは,これまでの研究からリガンド非依存的に核局在し,恒常的転写活性型として機能すると予想された.ARΔLBDはリガンド非存在下やアンタゴニスト存在下でのみ産生され,アゴニストであるテストステロンやジヒドロテストステロン存在下では産生されなかったことから,ARΔLBDの産生は,抗アンドロゲン治療後の前立腺がんの再発に関与することが示唆された.ARΔLBDは野生型ARからプロテアーゼによる切断により産生されると考えられたため,切断部位に関して検討した結果,現在,約20アミノ酸までの範囲で絞り込むことができた.
(2) ブドウの果皮に含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトロールは,ARのLBDに結合することなくARの転写活性を抑制する.この機構に関して検討した結果,レスベラトロールが核に局在するARを減少させることが判明し,この局在制御にアセチル化修飾の関与が示唆された.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of three glutamine tractsin human androgen receptor transactivation2010

    • 著者名/発表者名
      N.Harada, et al.
    • 雑誌名

      J.Steroid Biochem. Mol.Biol. 118

      ページ: 77-84

    • 査読あり
  • [学会発表] レスベラトロールはアンドロゲン受容体のアセチル化を減少させる2010

    • 著者名/発表者名
      原田直樹, ら
    • 学会等名
      2010年度日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      東京(東京大学)
    • 年月日
      20100327-20100330
  • [学会発表] ヒトアンドロゲン受容体の転写を調節する3つのグルタミン領域について2009

    • 著者名/発表者名
      原田直樹, ら
    • 学会等名
      第82回日本生化学会
    • 発表場所
      神戸(神戸国際会議場)
    • 年月日
      20091021-20091024
  • [学会発表] Resveratrol inhibits nuclear accumulation of androgen receptor2009

    • 著者名/発表者名
      Naoki Harada
    • 学会等名
      19th International Congress of Nutrition
    • 発表場所
      Bangkok (BITEC)
    • 年月日
      20091004-20091009
  • [学会発表] アンドロゲンシグナルに及ぼすレスベラトロールの作用2009

    • 著者名/発表者名
      原田直樹
    • 学会等名
      第63回 日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      長崎(ブリックホール)
    • 年月日
      20090520-20090522
  • [学会発表] レスベラトロールによる核内ARの減少について2009

    • 著者名/発表者名
      新清孝, ら
    • 学会等名
      第48回日本栄養・食糧学会近畿支部大会
    • 発表場所
      京都(京都女子大学)
    • 年月日
      2009-11-08
  • [備考]

    • URL

      http://www.biochem.osakafu-u.ac.jp/NC/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi