タンパク質栄養状態の悪化による肝臓のインスリン活性増強機構の解明とその生理的意義

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21780134
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 食品科学
• 研究機関: 日本医科大学
• 研究代表者: 鈴木 由香 (SUZUKI TOYOSHIMA Yuka) 日本医科大学, 老人病研究所, 助教 (70516070)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: インスリン / 肝臓 / タンパク質栄養

研究概要

タンパク質栄養状態が悪化すると、肝臓に脂質が蓄積するが、これはインスリン活性の増強と迅速に連動して起こることが明らかとなった。また、白色脂肪組織では、肝臓とは異なり、タンパク質栄養状態の悪化に応答してインスリン活性が低下することがわかった。これまでの結果を合わせて、「タンパク質栄養状態の悪化によって余剰となったエネルギーは、臓器特異的なインスリンシグナルの修飾を介して、白色脂肪組織ではなく、肝臓に優先的に取り込まれて、脂質となって蓄積される」という機構が稼働していると考えられた。

研究成果

• [雑誌論文] Dietary protein deprivation upregulates insulin signaling and inhibits gluconeogenesis in rat liver (2010)
  • 著者名/発表者名: Yuka Toyoshima, Reiko Tokita, Yoichiro Ohne, Fumihiko Hakuno, Tadashi Noguchi, Shiro Minami, Hisanori Kato, Shin-Ichiro Takahashi
  • 雑誌名: Journal of Molecular Endocrinology 巻: 45 ページ: 329-340
  • DOI: DOI:10.1677/JME-10-0102
  • 査読あり
• [学会発表] 低タンパク質栄養状態に応答して起こる脂肪蓄積の臓器特異的調節 (2011)
  • 著者名/発表者名: 豊島由香
  • 学会等名: 第64回日本栄養・食糧学会大会
  • 発表場所: 徳島
  • 年月日: 2011-05-23
• [学会発表] 低タンパク質食を給餌したラット肝臓に中性脂肪蓄積を引き起こす内分泌系およびインスリンシグナルの変動 (2011)
  • 著者名/発表者名: 豊島由香
  • 学会等名: 第65回日本栄養・食糧学会大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-05-14
• [学会発表] Suppression of insulin signaling in white adipose tissues contributes to preferential lipid accumulation in rat liver under protein malnutrition (2010)
  • 著者名/発表者名: Yuka Toyoshima
  • 学会等名: 5th International Congress of the GRS-IGF Society
  • 発表場所: New York、USA
  • 年月日: 2010-10-06
• [学会発表] Effects of protein restriction on insulin signals in liver, muscle, and adipose tissues of rats in response to endogenous insulin (2009)
  • 著者名/発表者名: Yuka Toyoshima
  • 学会等名: 19^(th) International Congress of Nutrition
  • 発表場所: タイ・バンコク
  • 年月日: 20091004-09
• [学会発表] 低タンパク質食給餌に応答した肝臓のインスリンシグナルの増強と脂肪蓄積 (2009)
  • 著者名/発表者名: 豊島由香
  • 学会等名: 第63回日本栄養・食糧学会大会
  • 発表場所: 長崎
  • 年月日: 2009-05-22