• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

共役EPAと放射線の併用効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21780136
研究機関神戸学院大学

研究代表者

米澤 裕子 (熊本 裕子)  神戸学院大学, 栄養学部, 研究員 (80388777)

キーワードエイコサペンタエン酸(EPA) / 共役EPA(cEPA) / 放射線 / ヒトがん細胞 / 抗がん活性 / 併用効果 / マイクロアレイ / 抗がん剤
研究概要

魚油め主成分であるエイコサペンタエン酸(EPA)に注目して、その共役EPA(cEPA)を化学合成した。cEPAの「抗がん」作用について、今年度(平成23年度)は次のような基礎研究的知見が得られた。
【1】ヒト大腸がん細胞における放射線とcEPAの併用効果のマイクロアレイ解析
ヒト大腸がん細胞(HCT116 cells)へ(1)cEPA添加のみ、(2)放射線照射のみ、(3)放射線照射→cEPA添加、これら3群を48時間培養後、細胞を回収してから常法により全mRNAを抽出・精製した。そして、マイクロアレイ解析した結果、無処理の細胞と比較して、(1)はDNAポリメラーゼ(pol)など一部のDNA代謝系酵素、炎症メディエーター、コレステロール代謝系酵素などの遺伝子発現量が増大、(2)はアポトーシス誘導因子などの遺伝子発現量が増大、(3)は(1)と(2)の遺伝子発現量がともに増大していることが分かった。特に、(3)においては、(1),(2)の単独における遺伝子発現量よりも顕著に増大したことから、(1)と(2)の併用は相加効果ではなく「相乗効果」を発揮することが示唆された。
【2】cEPAと抗がん剤ゲムシタビン(GEM)との抗がん活性における併用効果
臨床で使用されている抗がん剤GEMの三リン酸化体(GEM-TP)とcEPAは、哺乳類のpolを阻害するが阻害様式が異なることを見出した。そこで、GEM-TPとcEPAを同時に添加してpol阻害活性を調査した結果、単独よりも3倍以上強い阻害活性を示したことから「相乗効果」が示唆された。また、ヒト大腸がん細胞増殖抑制活性においても同時添加による相乗効果を示した。
【3】cEPAとホウレン草糖脂質のヒト大腸がん細胞における放射線の併用効果
ヒト大腸がん細胞増殖抑制活性において、cEPAと同様にホウレン草糖脂質においても放射線との併用効果が見られた。そこで、cEPA、ホウレン草糖脂質、放射線の3者による併用効果試験を実施した。その結果、cEPAとホウレン草糖質では併用効果は見られず、それぞれが放射線との併用効果を示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Enhancement of human cancer cell radiosensitivity by conjugated eicosapentaenoic acid, an inhibitor of DNA polymerase and topoisomerase (ISBN : 978-1-61942-089-2)2012

    • 著者名/発表者名
      Y.Mizushina, Y.K.Yonezawa, H.Yoshida
    • 総ページ数
      54
    • 出版者
      Nova Science Publishers【https://www.novapublishers.com/catalog/product_info.php?products_id=31185】

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi