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2009 年度 実績報告書

ナノスケール化と細胞内輸送の修飾による機能性因子の効率的送達システムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 21780138
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

渡辺 純  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (10374729)

キーワードナノスケール化 / 細胞内輸送 / フラボノイド / Caco-2細胞 / ヘスペレチン / ベシクル
研究概要

本研究では、(1)フラボノイドのべシクル化条件の最適化、(2)小腸上皮細胞内輸送を修飾することにより、高効率に生体調節機能を発揮する「ナノスケール化食品素材」という技術概念の確立を目指している。(1)に関しては、卵黄ホスファチジルコリンを構成脂質とするモデルベシクルを用いて、特に溶解性の乏しいhesperetinの脂質二重膜への分配挙動を検討した。30-200nmの範囲にサイズ制御された単分散粒径のべシクルへのhesperetinの分配係数は、ベシクルサイズが小さいほど小さくなり、また構成脂質にコレステロールを添加すると添加濃度依存的に小さくなることを明らかにした。また、サイズ制御されたべシクルに飽和溶解度以上に安定にhesperetinを分散化できることを明らかにした。Caco-2細胞を用いたin vitroモデル系において、飽和溶解度以上のhesperetin添加条件下において、ベシクル共存下でhesperetinの吸収性が懸濁液と比較して促進されること、この促進効果はべシクルサイズが小さいほど強いことを示した。また、同一粒径のべシクルにおいて比較すると、ベシクル数が多くなるほど高濃度のhesperetinを安定分散化でき、Caco-2単層膜を介したhesperetinの最大透過量は増加したが、透過速度はべシクル数依存的に減少した。今後、この作用機序を脂質二重膜への分配挙動と関連づけて検討する予定である。(2)に関しては、ベシクルの細胞内輸送および細胞間隙の拡散による透過を観察するための、サイズ制御されたFRET蛍光二重標識ベシクルを作製した。本ベシクルを用いると、細胞内外でベシクルが崩壊しているのか否か評価できると考えている。今後、Trp-Glyによる細胞内輸送修飾機構の解析とあわせ、Trp-Gly存在下、非存在下でのべシクルの動態を本FERTベシクル等を用いて解析する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 脂質ベシクル共存下におけるフラボノイドのCaco-2細胞単層膜透過特性2010

    • 著者名/発表者名
      池山明日香, ら
    • 学会等名
      日本農芸化学会2010年度大会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] Preparation and characterization of lipid vesicles containing a hydrophobic flavonoid2009

    • 著者名/発表者名
      池山明日香, ら
    • 学会等名
      Asia Pacific Biochemical Engineering Conference
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター
    • 年月日
      2009-11-25
  • [学会発表] ナノスケール化技術の食品への応用-ナノ分散系を応用した食品機能性因子の効率的送達-2009

    • 著者名/発表者名
      渡辺純, ら
    • 学会等名
      日本細胞工学会2009年度大会
    • 発表場所
      エポカルつくば
    • 年月日
      2009-07-24
  • [図書] フードナノテクノロジー(第9章 食品素材のナノスケール化が経口摂取した際の生体応答性に及ぼす影響 を担当)2009

    • 著者名/発表者名
      渡辺純
    • 総ページ数
      232-238
    • 出版者
      シーエムシー出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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