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2009 年度 実績報告書

諌早湾干拓大規模環境保全型農地における圃場機械による土壌踏圧メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21780231
研究機関九州大学

研究代表者

岡安 崇史  九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (70346831)

キーワード土壌踏圧 / 大型農業機械 / 諌早湾干拓大規模環境保全型農地 / 非古典弾塑性構成式 / 有限要素法 / 数値シミュレーション / 上 / 下負荷面モデル / 繰返し負荷
研究概要

本研究の目的は,諌早湾干拓大規模環境保全型農地における大型作業機械による土壌踏圧の現状把握とそのメカニズムの解明を行うことにある.本課題を具体的に進めていくため,トラクタとロータリ耕うん機から構成される実際の作業機械を用いた土壌踏圧試験と土壌踏圧現象の解析に対応し得る弾塑性有限要素解析プログラムのプロトタイプ開発とこれによる数値シミュレーションの実施とその妥当性の検討を行った.
まず,長崎県が所有する同干拓内の圃場において,作業機械の繰返し走行回数,土壌の水分条件等を変えた土壌踏圧試験を行った.その結果,(1)耕うん直後にトラクタを繰返し走行させた場合,走行前に耕うんして膨軟にされた表層部土壌のほぼ全域が初回走行時に踏圧されること,(2)その後の繰返し走行によって,踏圧領域が徐々に鉛直下層域に拡大していくこと,(3)降雨後の土壌水分が高い状態での走行は,耕盤層以下の土壌変形を生じさせ,同層内の水圧の散逸や乾燥により土壌剛性が増大するため,耕盤形成を加速させる可能性があることを指摘した.
他方,密度の異なる土の変形挙動を同一の材料定数を用いて定量的に予測し得る上/下負荷面モデル(Asaoka et al., Soils & Found, 40(2), 99-110, 2000)に,Hashiguchi and Mase(Int.J.Plast., 1939-1956, 2007)による耐負圧面の概念を導入して,土壌の粘着力効果を考慮した新たなモデルを開発するとともに,これを導入した弾塑性有限要素解析プログラム(プロトタイプ)を用いて、繰返し走行に伴う耕盤層の形成過程ならびに耕盤を有する土壌の変形挙動の解析を行った.その結果,繰返し負荷回数の増加にともなって土壌踏圧領域が徐々に拡大していく実際現象を定性的に予測し得ることを示した.さらに,耕盤層を有する土壌において,その剛性と厚さが土壌踏圧に与える影響についても同プログラムによる数値シミュレーションにより検討した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 諫早湾干拓土壌におけるトラクタ走行で生じる踏圧現象2010

    • 著者名/発表者名
      宮嵜朋浩, 他
    • 雑誌名

      農作業研究 45(1)

      ページ: 29-35

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TRACTOR RUNNING TESTS AT ISAHAYA BAY RECLAMATION2010

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki T., et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of the 5th International Symposium on Machinery and Mechatronics for Agriculture and Biosystems Engineering (CD-ROM(6頁))

  • [雑誌論文] Numerical Soil Compaction Analysis on Structured Soft Ground2009

    • 著者名/発表者名
      Okayasu T., et al.
    • 雑誌名

      Proceeding of International Soil Tillage Research Organization 2009 (CD-ROM(7頁))

  • [学会発表] 土壌踏圧現象の弾塑性有限要素解析に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      上辻直哉, 他
    • 学会等名
      環境工学関連学会2009年合同大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-09-16
  • [学会発表] 小明渠作溝用サイドディスク設計への有限要素法の適用とその評価2009

    • 著者名/発表者名
      大庭裕史, 他
    • 学会等名
      第64回農業機械学会九州支部,2009
    • 発表場所
      佐賀市
    • 年月日
      2009-08-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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