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2011 年度 実績報告書

トマトの抗酸化成分増加を目指した複合的環境ストレス下での活性酸素制御技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21780234
研究機関尚絅大学短期大学部

研究代表者

圖師 一文  尚絅大学短期大学部, 准教授 (50435377)

キーワードトマト / 塩ストレス / 高温ストレス / 抗酸化システム / 抗酸化成分
研究概要

本年度は,高温と塩の複合ストレスがトマト果実の抗酸化成分含量および抗酸化システムに及ぼす影響を明らかにするとともに,ストレス指標から抗酸化成分および代謝産物変化の予測技術確立を目的とした.具体的には以下の結果が得られた.
1.高温と塩の複合ストレスを与え,果実の活性酸素生成,抗酸化成分含量,活性酸素消去システムの変化を測定した.この結果,未熟果および完熟果において抗酸化成分の一種であるアスコルビン酸(ビタミンC)含量は,高温と塩ストレスの相互作用によって相乗的に上昇することが明らかになった.しかしながら,アスコルビン酸と関連する抗酸化酵素活性は,塩ストレスに関係なく高温によって高まるもの,塩ストレス単独より高温と塩ストレスの相互作用により高まるもの,影響のないものが認められ,アスコルビン酸含量の変化と一致しなかった.これらのことからアスコルビン酸含量は,塩ストレスと高温ストレスの相互作用によって上昇するが,その変動カニズムは果実内の抗酸化システムに起因しないことが示唆された.
2.高温期(夏期)に塩ストレスを与え様々なストレス指標ならびに抗酸化成分(リコペン,アスコルビン酸)と代謝産物(糖,有機酸,アミノ酸)の変化を測定し,それらの相関ネットワーク分析を行った.この結果,いくつかのストレス指標から抗酸化成分と代謝産物の変動が予測できることが明らかになった.
これらのことから,昨年度までに明らかにした光と塩ストレスの相互作用に関する知見に加え,温度(高温)条件と塩ストレスとの相互作用もトマトの抗酸化成分増加を目指した複合的環境ストレスにおいて重要であることが明らかになった.さらにストレスによる抗酸化成分や代謝産物の変動はネットワーク分析を用いることで予測可能であることが示唆され,今後の応用面に期待できる結果が得られた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Comparative analysis of oxidative parameters, antioxidant content and antioxidant enzyme activity during fruit ripening in tomato pericarp and pulp2012

    • 著者名/発表者名
      Zushi, K., Matsuzoe, N.
    • 雑誌名

      Journal of Japanese Society for Horticultural Science

      巻: 81 ページ: 109-116

    • URL

      http://dx.doi.org/10.2503/jjshs1.81.109

    • 査読あり
  • [学会発表] 塩ストレス下で栽培した異なるトマト品種における果実特性比較のための多変量解析およびネットワーク分析の利用2012

    • 著者名/発表者名
      圖師一文, 梶原慎吾, 松原麻里子, 松添直隆
    • 学会等名
      園芸学会平成24年度春季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      20120328-20120329
  • [学会発表] クロロフィルa蛍光の誘導期現象(OJIP)を利用したトマト葉および果実の塩(NaCl)ストレスの評価2011

    • 著者名/発表者名
      圖師一文,梶原真悟,松原麻里子,松添直隆
    • 学会等名
      生物環境工学会九州支部会
    • 発表場所
      久留米市
    • 年月日
      20111110-1112
  • [学会発表] 塩ストレス下で栽培したトマトにおけるストレス指標と果実品質とのネットワーク分析2011

    • 著者名/発表者名
      圖師一文, 梶原慎吾, 松原麻里子, 松添直隆
    • 学会等名
      生物環境工学会2011年全国大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20110906-20110908

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公開日: 2013-06-26  

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