研究概要 |
マウス由来のC2C12筋細胞株を用い、アミノ酸含量が0倍(0X)、1倍(1X)、2倍(2X)のMEM培地を作成し、6または24時間培養した。ポジティブコントロールとして、IGF-1(10ng/ml)を用いた。その結果、タンパク質分解の指標である培地への3-メチルヒスチジン放出量は培地のアミノ酸量が増加するに伴い減少した。タンパク質関連遺伝子発現も同様の結果であった。AktならびにFOXO3aのリン酸化はIGF-1で検出されたが、アミノ酸添加では影響は見られなかった。次に、鶏胚由来の筋肉細胞を用い、ロイシン(Leu, 1mM)またはグルタミン(Gln, 1mM)ならびにシステムL-アミノ酸トランスポーター阻害剤(BCH, 10mM)をそれぞれ含む緩衝液で2時間培養した結果、タンパク質関連遺伝子であるアトロジン・1発現はLeu添加により減少したが、Glnでは影響は見られなかった。LeuとGln添加はより減少した。同時添加によりアトロジン-1発現の抑制効果は大きくなった。一方、BCH添加により、LeuとGlnの同時添加による抑制作用はキャンセルされたが、Leu単独の作用はキャンセルされなかった。以上の結果は、Glnとの共存下では、Leuはロイシントランスポーターを介した経路でアトロジン-1発現を抑制するが、Leu単独ではトランスポーター経由とは異なった経路でアトロジン-1発現を抑制することを示している。
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