研究概要 |
鶏胚由来の筋肉細胞を用いて、システムL-アミノ酸トランスポーターLAT1 siRNAの導入実験を行った。8種類のLAT1 siRNAを設計し、HiPerFectトランスフェクション試薬を用いて導入を試みたが、LAT1遺伝子発現の抑制効果はみられなかった。また、Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬を用いて、LAT1 siRNAの導入を試みたが、LAT1遺伝子発現の抑制効果はみられなかった。次に、Lipofectamine RNAiMAXを用いてLAT1 siRNAの導入を試みた結果、2種類のsiRNAがLAT1遺伝子発現の抑制を抑制した。このsiRNA干渉技術を用い、LAT1 siRNA導入した鶏胚由来の筋肉細胞をロイシン(Leu, 1mM)、グルタミン(Gln, 1mM)または両方を含む緩衝液で2時間培養した結果、タンパク質関連遺伝子であるアトロジン-1発現はLeu添加により減少し、Glnでは影響は見られなかった。LeuとGlnの同時添加によりアトロジン-1発現の抑制効果は大きくなった。一方、LAT1 siRNAの導入によりアトロジン-1発現は減少し、LeuならびにGlnの影響はみられなかったが、LeuとGlnの共存下ではアトロジン-1発現は回復した。また、LAT1発現はLeu存在下で増加し、siRNAの導入によるLAT1の発現抑制に対しては、アミノ酸の影響はみられなかった。以上の結果から、筋肉においてアミノ酸トランスポーターを介してアトロジン-1発現は制御されている可能性が示唆された。
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