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2010 年度 実績報告書

鶏肝臓脂質・糖代謝のアディポネクチンによる制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 21780258
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

大津 晴彦  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・機能性飼料研究チーム, 主任研究員 (40455316)

キーワードアディポネクチン / 脂質代謝 / 糖代謝 / 応用動物 / 生理学
研究概要

アディポネクチンの鶏肝臓脂質代謝に対する直接的影響を検討するために鶏肝細胞初代培養系を用い、アディポネクチンの添加試験を行った。ブロイラーよりコラゲナーゼ灌流法により肝細胞を調製し、アミノ酸濃度を調節したBesal Medium Eagle培地に鶏血清1%、インスリン(0.25μg/l)、グルカゴン(0.25μg/l)を添加した培地で培養した。その培養系にアディポネクチン(10,20μg/ml)を添加し、4,12,24時間後の脂質代謝関連因子mRNA発現量をリアルタイムPCR法により測定した。脂肪酸合成系においてはacetyl-CoA carboxylase発現は変化せず、fatty acidsynthase(FAS)発現はアディポネクチン添加4時間で若干増加するものの、添加12、24時間では変化しなかった。しかしながら、Malic Enzyme発現量はアディポネクチン添加12時間で無添加区に比べ有意に減少し、添加48時間では大きく減少した。脂肪酸分解系としてCarnitine O-palmitoyltransferase I(CPTI)の発現量を測定したところ、アディポネクチン添加による影響は観察されなかった。コレステロール代謝関連因子として、HMG-CoA reductase (HMG-R), Cholesterol 7-alpha-monooxygenase(CYP7a)発現量を測定したところ、合成系のHMG-R発現量にはアディポネクチン添加は影響を与えなかったが、CYP7a発現量はアディポネクチン添加により無添加区に比べ有意に低い値を示した。脂質代謝関連転写因子であるPPARγ、PPARα、SREBP1、SREBP2発現量に対してアディポネクチン添加は影響を与えなかった。インスリン、グルカゴンは肝臓脂質代謝関連因子発現量を調節することから、アディポネクチンの肝臓脂質代謝関連因子発現の作用へ大きな影響を与えると考えられる。そこで、インスリン、グルカゴン非存在下におけるアディポネクチンの脂質代謝関連因子への影響を検討した。その結果、アディポネクチン添加はFAS発現量を減少させ、CPTI発現量を増加させた。
以上のように、アディポネクチンは鶏肝細胞において、脂質代謝関連因子発現を調節することが示されたが、その影響は培地中のインスリン、グルカゴンにより大きく影響されるため、培養条件のさらなる検討が必要とされる。

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公開日: 2012-07-19  

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