骨分化に深く関わるデコリン糖鎖CS/DSの種類を同定し、その機能を解析した。そしてその糖鎖を応用した骨組織再生を試みた。培養細胞を用いた実験で、検索した5種類のデコリン(CS/DS)糖鎖(CS-A、B、C、DおよびE)のうち、ALP活性や石灰沈着量を指標に評価したところ、CS-Eが最も強い骨分化誘導能を備えていた。Wistarラット頭蓋骨に作成した骨欠損部位にCS-E含有スポンジ(2ug/穴)を埋入したところ、骨組織の再生を確認した。なお、実験期間である15週間での再生率は、欠損部の約30%に留まったが、CS-Eによる骨再生を誘導できたことは、新たな素材(CS-E)を用いた再生医療法を提示する一歩となった。
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