本研究において解析予定である、猫のβ酸化および脂肪酸代謝に関わる分子のうち、8分子(PPARγ、PPARα、ステアリン酸CoA脱飽和酵素1、ミクロソームトリグリセリド転移蛋白、ApoB100、極長鎖アシルCoA脱水素酵素、二機能性酵素、TYSND)の塩基配列についてシークエンスを行い、塩基配列を部分的に決定した。決定された塩基配列に基づいてプライマーを作成し、SYBRgreen法を用いたReal-time PCRによる発現量の解析系を確立した。8分子のうち、1分子を除いた7分子は、これまでに猫では塩基配列があきらとなっておらず、全く新規の知見である。これらの塩基配列データおよびReal-time PCRに用いるプライマーなどの情報は、猫の脂質代謝に関する研究を促進しうる成果である。また本研究において、今後実施予定である肝リピドーシスの代謝解析に必要不可欠な手法が確立され、研究の次の段階へと進むことが可能となった。
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