研究課題/領域番号 |
21780291
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
三好 真琴 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (50433389)
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キーワード | 酪酸 / トリブチリン / 腸管integrity |
研究概要 |
短鎖脂肪酸、特に酪酸は腸粘膜細胞分化促進や癌細胞の増殖抑制など多様な生理活性を有しており、静脈投与や経腸投与した酪酸の腸管への効果が明らかにされ始めている。しかし、経口投与による腸管への効果は不明であり、本研究で腸管障害抑制効果が明らかにされれば食品成分である短鎖脂肪酸の新しい生理活性研究に発展するものと考えられる。 本研究では、新しい機能性食品として酪酸のトリグリセライドでprodrugであるtributyrinの経口投与を行い、in vivoにてエンドトキシン誘発による腸管障害抑制効果の有無を検討する。生理的状態下と炎症下でのtributyrin経口投与による腸粘膜integrityにおよぼす効果をdiamine oxidase活性やサイトカイン濃度測定、病理組織学的解析及び免疫組織化学的解析により明らかにする。 これまでに、生理的状態下でのtributyrin経口投与による血中酪酸濃度の上昇が腸管integrityを維持する可能性を明らかにしてきたが、23年度はさらにtributyrin投与によるPPARγ発現増加とapoptosis促進を明らかにした。 また、炎症下でのtributyrin投与効果についても検討を行い、LPS投与群と比較してtributyrin+LPS群は24時間の生存率を有意に改善しており、腸管のHE染色標本による組織障害のスコア化でも、結腸においてLPS群よりもtributyrin+LPS群のほうが組織障害を有意に抑制していることを明らかにした。さらにLPS投与L5時間後のTNFαmRNA発現は空腸と回腸においてtributyrin+LPS群で発現増加が抑制されており、特に空腸におけるLPSによるTNFαmRNA増加は著しく、tributyrinとの併用で有意に抑制された。現在、機序を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度初めに立てる大まかな計画をほぼ実行できているため、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
できるだけ早く必要な検体数を採取し、機序の検討を行う。
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