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2009 年度 実績報告書

スフィンゴ脂質による脂肪細胞機能調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21780304
研究機関北海道大学

研究代表者

光武 進  北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 特任准教授 (10344475)

キーワードceramide / sphingomyelin / triglyceride / fatty liver
研究概要

近年、スフィンゴ脂質の一つであるセラミド(Cer)が動脈硬化のリスクファクターとなっている事が示唆された。しかしながら、これまでスフィンゴ脂質代謝とメタボリックシンドロームの関係を詳細に研究した例は無い。本研究では、Cerを中心としたスフィンゴ脂質代謝が、メタボリックシンドロームの発症にどの様に関わっているかを動物個体レベルから細胞レベルまで解析し、その分子メカニズムを明らかにする。本年度は、当該研究のスタートの年とあるので、まず個体レベルでの解析を中心に行った。細胞膜に存在するスフィンゴミエリンの合成酵素の一つである、SMS2のノックアウトマウスを用いて、生後4週~15週に渡って、60%高脂肪食を投与し、その体重変動等の基礎的なdataをとった。その結果、興味深い事に、SMSノックアウトマウスでは、高脂肪食負荷にも関わらず体重増加が、通常食投与時のレベルまで抑えられていた。さらに、これらのマウスを解剖し、体脂肪等を詳細に調べた結果、肝臓への中性脂質蓄積において、顕著な差がみられた。肝臓は、食事由来脂質の取り込みの他に、自らも脂肪酸の合成を行う事が知られているが、SMS2のノックアウトマウスでは、脂肪酸の合成に関わる遺伝子群は活性化されておらず、脂肪酸の取り込みに関与するスカベンジャーレセプターの一つCD36の発現に大きな差がみられた。CD36は、細胞膜上のスフィンゴミエリンに富んだ領域「脂質マイクロドメイン」に存在する事が知られている。次年度は、このCD36の発現と、細胞膜上に存在するスフィンゴミエリンやCerとの関係を、脂肪酸輸送活性を中心に検討する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of synthetic sphingolipid analogs as ligands for peroxisome proliferator-activated receptors2009

    • 著者名/発表者名
      Tsuji K., Satoh S., Mitsutake S, Murakami I., Jeong-Ju Park, Qian Li, Young-Tae Chang, Sung-Kee Chung., Igarashi Y.
    • 雑誌名

      Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 19

      ページ: 1643-1646

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ceramide biosynthesis in keratinocyte and its role in skin function2009

    • 著者名/発表者名
      水谷有紀子, 光武進, 五十嵐靖之
    • 雑誌名

      Biochimie 91

      ページ: 784-790

    • 査読あり
  • [雑誌論文] セラミド合成酵素とセラミドリン酸化酵素2009

    • 著者名/発表者名
      水谷有紀子、光武進、五十嵐靖之
    • 雑誌名

      細胞 41

      ページ: 174-177

  • [雑誌論文] 構造から読み解く中性セラミダーゼの触媒機構2009

    • 著者名/発表者名
      沖野望、谷元洋、光武進、吉村征活、合田初美、伊東信
    • 雑誌名

      細胞 41

      ページ: 182-185

  • [学会発表] 中性脂質蓄積/代謝におけるスフィンゴミエリン合成酵素2の働き2009

    • 著者名/発表者名
      光武進、横田はづき、座間宏太、山下匡、岡崎俊朗、渡辺研、五十嵐靖之
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-22
  • [備考]

    • URL

      http://biomem.pharm.hokudai.ac.jp/

  • [産業財産権] スフィンゴミエリン合成酵素SMS2の生理機能を応用したメタボリックシンドローム改善、又は改善薬のスクリーニング方法2009

    • 発明者名
      光武進、座間宏太、五十嵐靖之
    • 権利者名
      国立大学法人北海道大学大学
    • 産業財産権番号
      特許,特願2009-219751
    • 出願年月日
      2009-09-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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