新規アルツハイマー病治療薬開発を指向した植物性アルカロイドの探索と不斉全合成研究

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21790008
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 化学系薬学
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 小暮 紀行 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80396689)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: アルカロイド / 不斉全合成 / AChエステラーゼ / リコポジウム / ヒガンバナ

研究概要

近年、高齢者の急増により、有効かつ安全な記憶障害改善薬の開発が急務となっている。アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の働きを抑制することにより、脳内のアセチルコリン量を増加させ、記憶障害を改善することができる。
本研究では、ヒカゲノカズラ科・ヒガンバナ科植物からの分離・精製と化学合成により、AChE阻害活性を有するアルカロイド(塩基成分)の探索を目的とした。その結果、数多くの新規アルカロイドの単離に成功し、また数種のアルカロイドの全合成を達成した。

研究成果

• [雑誌論文] First Asymmetric Total Synthesis of Fawcettimine-Type Lycopodium Alkaloids, Lycoposerrmine-C and Phlegmariurine-A. (2009)
  • 著者名/発表者名: A.Nakayama, N.Kogure, M.Kitajima, H.Takayama
  • 雑誌名: Org.Lett. 11(23) ページ: 5554-5557
  • 査読あり
• [雑誌論文] Nupharic Acid, a New Sesquiterpene Alkaloid from Nuphar japonicum. (2009)
  • 著者名/発表者名: N.Kogure, A.Nozoe, M.Kitajima, H.Takayama
  • 雑誌名: Hetocycles 79(1) ページ: 1101-1105
  • 査読あり
• [雑誌論文] Asymmetric Total Syntheses of Cyclic-Nitron-Containing Phlegmarine-Type Lycopodium Alkaloids, Lycopo-serramines-X and -Z. (2009)
  • 著者名/発表者名: T.Tanaka, N.Kogure, M.Kitajima, H.Takayama
  • 雑誌名: J.Org.Chem. 74(22) ページ: 8675-8680
  • 査読あり
• [雑誌論文] A New Skeletal Lycopodium Alkaloid, Lycoposerramine-R, and Three New Fawcettimine-related Alkaloids from Lycopodium serratum. (2009)
  • 著者名/発表者名: K.Katakawa, N.Kogure, M.Kitajima, H.Takayama
  • 雑誌名: Helvetica Chimica Acta 92(3) ページ: 445-452
  • 査読あり
• [学会発表] Pauson-Khand反応を基盤としたFawcettimine型リコポジウムアルカロイド類の不斉全合成研究 (2010)
  • 著者名/発表者名: 中山淳、小暮紀行、北島満里子、高山廣光
  • 学会等名: 有機合成化学協会若手研究者のためのセミナー(2010)
  • 発表場所: 千葉大学自然科学研究棟
  • 年月日: 2010-09-25
• [学会発表] ヒカゲノカズラ属植物2種より単離した新規アルカロイド類の構造 (2010)
  • 著者名/発表者名: 片川和明、小暮紀行、北島満里子、本澤勝年、有澤宗久、高山廣光
  • 学会等名: 日本薬学会第130回年回(岡山)
  • 発表場所: 桃太郎アリーナ
  • 年月日: 2010-03-29
• [備考] ホームページ
  • URL: http://www.p.chiba-u.ac.jp/lab/seitai/