非平面アミドオリゴマーの規則構造制御と機能化研究

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21790010
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 化学系薬学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 尾谷 優子 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (60451853)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: 二環性アミノ酸 / β-プロリン / ヘリックス / シス-トランス異性化 / オリゴマー / チオアミド / 計算化学

研究概要

環状β-アミノ酸の1種であるβ-プロリンを構造固定化したミミック(模倣体)として、本研究者は置換基を持つ二環性の7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を基本構造とするβ-アミノ酸を設計・合成し、連結したオリゴマーの構造解析を行った。2量体などの短いオリゴマーから8量体まで、水中を含む種々の溶媒中においてシス型アミド構造を有する強固な新規ヘリックス構造をとることを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Design, Synthesis andCharacterization of BK Channel Openers Based on Oximation of Abietane Diterpene Derivatives (2010)
  • 著者名/発表者名: Yong-Mei Cui, Eriko Yasutomi, Yuko Otani
  • 雑誌名: Bioorg.Med.Chem. 18 ページ: 8642-8659
  • 査読あり
• [雑誌論文] Water-Stable Helical Structure of Tertiary Amides of Bicyclic β-Amino Acid Bearing 7-Azabicyclo[2.2.1]heptane. Full Control of Amide Cis-Trans Equilibrium by Bridgehead Substitution (2010)
  • 著者名/発表者名: Masahiro Hosoya, Yuko Otani, Masatoshi Kawahata, Kentaro Yamaguchi, Tomohiko Ohwada
  • 雑誌名: J.Am.Chem.Soc.(corresponding author) 132 ページ: 14780-14789
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dynamic NMR:スペクトルの線形解析によるチオアミド結合の回転障壁の算出 (2010)
  • 著者名/発表者名: 尾谷優子・大和田智彦
  • 雑誌名: 分光研究(日本分光学会) 59 ページ: 140-142
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cyclization of Arylacetoacetates to Indene and Dihydronaphthalene Derivatives in Strong Acid. Evidenece for Involvement of Further Protonation of O,O-Diprotonated β-Ketoester, Leading to Enhancement of Cyclization. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hiroaki Kurouchi, Hiromichi Sugimoto, Yuko Otani, Tomohiko Ohwada.
  • 雑誌名: J.Am.Chem.Soc. 132 ページ: 807-815
  • 査読あり
• [雑誌論文] Phenylation Reaction of α-Acylnitromethanes To Give 1,2-Diketone Monooximes : Involvement of Carbon Electrophile at the Position α to the Nitro Group (2009)
  • 著者名/発表者名: Mikihiro Takamoto, Hiroaki Kurouchi, Yuko Otani, Tomohiko Ohwada.
  • 雑誌名: Synthesis 24 ページ: 4129-4136
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis and Evaluation of Lysophosphatidylserine Analogs as Inducers of Mast Cell Degranulation. Potent Activities of Lysophosphatidylthreonine and Its 2-Deoxy Derivative (2009)
  • 著者名/発表者名: Masazumi Iwashita, Kumiko Makide
  • 雑誌名: J.Med.Chem. 52 ページ: 5837-5863
  • 査読あり
• [雑誌論文] Theoretical study on the excited states of heteroarene chromophores : Comparison of calculated and experimental values (2009)
  • 著者名/発表者名: Toshiyuki Tsuji, Maki Onoda, Yuko Otani, Tomohiko Ohwada, Takahito Nakajima, Kimihiko Hirao.
  • 雑誌名: Chem.Phys.Lett. 473 ページ: 196-200
  • 査読あり
• [雑誌論文] 極小タンパク質のX線結晶構造解析に成功～タンパク質の定義を再考する (2009)
  • 著者名/発表者名: 尾谷優子
  • 雑誌名: ケミカルバイオロジー(日本ケミカルバイオロジー学会) 2 ページ: 6
• [学会発表] Beckmann転位の転位選択性:テトラロン骨格におけるペリ位置換基の効果 (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷紀彦
  • 学会等名: 日本薬学会第131年会
  • 発表場所: グランシップ(静岡県)
  • 年月日: 2011-03-30
• [学会発表] 超強酸触媒によるメチルフェネチルカルバメートの活性化と分子内環化反応 (2011)
  • 著者名/発表者名: 黒内寛明
  • 学会等名: 日本薬学会第131年会
  • 発表場所: グランシップ(静岡県)
  • 年月日: 2011-03-30
• [学会発表] 橋頭位置換二環性β-アミノ酸オリゴマーの安定なシスアミド-ヘリックス構造 (2011)
  • 著者名/発表者名: 尾谷優子
  • 学会等名: 日本薬学会第131年会
  • 発表場所: グランシップ(静岡県)
  • 年月日: 2011-03-29
• [学会発表] リゾホスファチジルセリン受容体サブタイプ特異的リガンドの創製 (2011)
  • 著者名/発表者名: 井久保仁也
  • 学会等名: 日本薬学会第131年会
  • 発表場所: グランシップ(静岡県)
  • 年月日: 2011-03-29
• [学会発表] 可視光によりuncageされるcaged-NOの創製 (2011)
  • 著者名/発表者名: 唐木文霞
  • 学会等名: 日本薬学会第131年会
  • 発表場所: グランシップ(静岡県)
  • 年月日: 2011-03-29
• [学会発表] テトラロン構造におけるBeckmann転位の転位選択性:ペリ位置換基の効果 (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷紀彦
  • 学会等名: 第36回反応と合成の進歩シンポジウム
  • 発表場所: ウインクあいち(愛知県)
  • 年月日: 2010-11-02
• [学会発表] 強ブレンステッド酸触媒によるフェネチルカルバメートの分子内環化反応-Y型共役カチオン種の超求電子化? (2010)
  • 著者名/発表者名: 黒内寛明
  • 学会等名: 第40回複素環化学討論会
  • 発表場所: 仙台市民会館(宮城県)
  • 年月日: 2010-10-14
• [学会発表] 可視光照射による非平面ニトロソアミンの結合開裂:一酸化窒素等価体の放出 (2010)
  • 著者名/発表者名: 唐木文霞
  • 学会等名: 第40回複素環化学討論会
  • 発表場所: 仙台市民会館(宮城県)
  • 年月日: 2010-10-14
• [学会発表] アリルアセトアセテートのマルチプロトン化による超求電子化と環化反応 (2010)
  • 著者名/発表者名: 黒内寛明
  • 学会等名: 第21回基礎有機化学討論会
  • 発表場所: 名古屋大学(愛知県)
  • 年月日: 2010-09-11
• [学会発表] Transnitrosation of Thiols from Water-soluble Aliphatic N-Nitrosamines : S-Nitrosation and Modulation of Protein Functions. (2010)
  • 著者名/発表者名: Tomohiko Ohwada
  • 学会等名: The 6th International Conference on the Biology, Chemistry, and Therapeutic Applications of Nitric Oxide
  • 発表場所: 国立京都国際会館(京都府)
  • 年月日: 2010-06-15
• [学会発表] Organic N-Nitrosoamines which release NO or its equivalents upon Visible Light Irradiation : Design, Synthesis and Application to Cells. (2010)
  • 著者名/発表者名: Fumika Karaki
  • 学会等名: The 6th International Conference on the Biology, Chemistry, and Therapeutic Applications of Nitric Oxide
  • 発表場所: 国立京都国際会館9京都府)
  • 年月日: 2010-06-15
• [学会発表] 超強酸触媒によるArylacetoacetatesのマルチプロトン化と分子内環化反応 (2010)
  • 著者名/発表者名: 黒内寛明
  • 学会等名: 日本薬学会第130年会
  • 発表場所: 岡山市(岡山県)
  • 年月日: 2010-03-29
• [学会発表] LysoPS誘導体の合成とP2Y_<10>受容体活性化/マスト細胞脱顆粒促進の活性評価 (2010)
  • 著者名/発表者名: 井久保仁也
  • 学会等名: 日本薬学会第130年会
  • 発表場所: 岡山市(岡山県)
  • 年月日: 2010-03-29
• [学会発表] 可視光照射特異的にNO等価体を放出するニトロソアミンの創製 (2010)
  • 著者名/発表者名: 唐木文霞
  • 学会等名: 日本薬学会第130年会
  • 発表場所: 岡山市(岡山県)
  • 年月日: 2010-03-28
• [学会発表] リゾホスファチジルセリン誘導体の合成とマスト細胞の脱顆粒促進効果 (2009)
  • 著者名/発表者名: 尾谷優子
  • 学会等名: 第28回メディシナルケミストリーシンポジウム
  • 発表場所: 東京大学(東京都)
  • 年月日: 2009-11-26
• [学会発表] マルチプロトン化によるArylacetoacetatesの超求電子化と分子内環化反応 (2009)
  • 著者名/発表者名: 黒内寛明
  • 学会等名: 第35回反応と合成の進歩シンポジウム
  • 発表場所: 金沢市民ホール(石川県)
  • 年月日: 2009-11-16
• [学会発表] 二環性βーアミノ酸のオリゴチオペプチドの創製と規則構造 (2009)
  • 著者名/発表者名: 尾谷優子
  • 学会等名: 第39回複素環化学討論会
  • 発表場所: さわやかちば県民プラザ(千葉県)
  • 年月日: 2009-10-16
• [学会発表] S-トランスニトロソ化を引き起こす機能性N-ニトロソアミンの創製 (2009)
  • 著者名/発表者名: 樺澤洋治
  • 学会等名: 第39回複素環化学討論会
  • 発表場所: さわやかちば県民プラザ(千葉県)
  • 年月日: 2009-10-16
• [学会発表] 不斉記憶による立体選択的環化反応の理論的研究:アミノ酸誘導体の軸不斉エノラート生成機構 (2009)
  • 著者名/発表者名: 尾谷優子
  • 学会等名: 第20回基礎有機化学討論会
  • 発表場所: 群馬大学(群馬県)
  • 年月日: 2009-09-28
• [図書] 構造特性を利用した生物活性物質の理論的な構造設計と機能予測(創薬科学の魅力) (2010)
  • 著者名/発表者名: 大和田智彦・尾谷優子
  • 総ページ数: 145-154
  • 出版者: 広川書店
• [備考] ホームページ等
  • URL: http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~yakka/