近年我々が見出した、2-ヒドロキシインドリン-3-オンから生成するアシルイミニウムへのマンニッヒ型反応による、新規2,2-ジ置換インドリン-3-オンの合成法を基盤として、イサチシンAの合成研究を行った。その結果、2-ヒドロキシインドリン-3-オンの窒素上の保護基であるパラメトキシベンジル基の酸化的な脱保護を行ったところ、α-ケトイミンが生成することを見出した。さらにこのものにトリフルオロ酢酸無水物の存在下に求核剤を反応させると、高収率でマンニッヒ型反応が進行するという大変興味深い知見を得た。この化合物から数工程を経て、イサチシンA の基本骨格を構築することに成功した。
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