研究概要 |
慢性疾病診断の新たな臨床生体試料としての非侵襲的なヒト爪の有用性と可能性を検証した。ヒト爪中の18種類のD, L一アミノ酸の一斉高感度分析法と糖化反応中間体である3-Deoxyglucosone(3-DG)、Methylglyoxal(MG)、Glyoxal(GO)の高感度分析法を確立した。ヒトの爪からは15種類のL一アミノ酸と初めて5種類のD一アミノ酸(Ala、Pro、Val、Leu、Ile)、糖化反応の中間体である3-DG、MG、GOを検出することができた。また、糖尿病患者と健常人爪中の定量値を比較したところ、L一アミノ酸とMG、GOでは殆ど差がなく、D/L-アミノ酸の比ではAla、Val、Leu、Ile(p<0.0l)、糖化反応の中間体では3-DGの有意差(p<0.001)が認められた。今後、非侵襲的なヒト爪分析は糖尿病患者の病状診断と評価の一手段となることが期待される。
|