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2009 年度 実績報告書

マクロファージにおける薬剤誘発性ホスホリピドーシス発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21790051
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

黒田 幸弘  武庫川女子大学, 薬学部, 准教授 (60314225)

キーワードホスホリピドーシス / カチオン性両親媒性薬物 / リン脂質の取り込み / RAW264 / スカベンジャー受容体 / 酸性ベシクル / リモートローディング / 弱塩基
研究概要

1. カチオン性両親媒性薬物(CAD)によって生じる薬剤誘発性ホスホリピドーシス(DIPL)の原因が,細胞によるリン脂質取り込みの充進ではないことを立証した.具体的には,DIPLを起こす代表的CAD(アミオダロン,クロルプロマジン,イミプラミン,プロプラノロール,クロロキン)をRAW264細胞に投与し,過剰に蓄積されたリン脂質が,リン脂質の代表的取り込み経路(LDL受容体,SR-A受容体,CD36,ピノサイトーシス)の阻害剤によって減少しないことを示した.
2. DIPL陽性のCADは内水相が酸性のべシクル内に効率的に集積するが,DIPL陰性のCADも同様に酸性ベシクル内に集積することを立証した.具体的には,上記5種のDIPL陽性のCADは内水相pH4,外水相pH7のリポソーム内に集積し,その濃縮比は約70~450倍(内水相体積0.25%)であった.一方,DIPL陰性の代表的CADであるジソピラミドも約40~110倍の濃縮比を与え,DIPL陽性/陰性のCAD間で濃縮効果に明確な差異は認められなかった.
3. 上記2の結果を受けて,DIPL陰性のCADも酸性ベシクル内に同様に集積した結果,ベシクル内のpHを上昇させることを確認した.具体的には,DIPL陽性のイミプラミンと陰性のジソピラミドはともに,リポソーム(内水相pH5,外水相pH7)の内水相pHを約6.3まで上昇させ,その効果は同等であった.
4. 以上1~3の結果から,DIPLの発症はリン脂質取り込みの充進が原因ではないこと,ならびにリソソーム等の酸性オルガネラの中和がDIPL発症の唯一の原因ではないこと,の2点が示唆された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] カチオン性両親媒性薬物による細胞内リン脂質蓄積効果とリン脂質取り込み経路および細胞内pH勾配の関係2010

    • 著者名/発表者名
      黒田幸弘
    • 学会等名
      日本薬学会第130年会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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