研究課題
本研究では、酸化ストレスに対する生体応答であり、抗酸化遺伝子の発現を誘導するNuclear erythroid 2 p45-related factor 2 (Nrf2)-antioxidant response element (ARE)システムの調節機構解明と新規活性化物質の探索を行った。まず、生理活性物質によるNrf2-ARE経路の調節機構を検討したところ、既知のNrf2-ARE活性化物質であるスルフォラファンの作用をビタミンAであるレチノイン酸が増強することを見出した。このレチノイン酸によるARE活性化増強作用は抗酸化薬によって抑制され、また、レチノイン酸は活性酸素種を生成させることを確認した。レチノイン酸自身のARE活性化作用は比較的弱かったことから、ARE活性化物質の適切な組み合わせは相乗効果をもたらすことが示唆している。一般に、ARE活性物質は親電子性物質であるためARE活性化の有効濃度と細胞毒性を発現する濃度が近いことが問題であるが、組み合わせによる相乗効果はより低濃度のARE活性物質を利用して生体にとって安全かつ強力に酸化ストレス防御機構を亢進できることを意味している。さらに、青紫蘇の抽出物から同定した新規ARE活性化物質の作用を検討したところ、細胞内グルタチオン量やNAD (P)H quinone oxidoreductase 1活性、ヘムオキシゲナーゼ-1タンパク量を増加させ、6-hydoroxydopamine誘発細胞死を抑制することを明らかにした。
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