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2010 年度 実績報告書

肝臓由来の内分泌因子FGF21の白色脂肪組織における生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21790071
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

小西 守周  神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00322165)

キーワード白色脂肪組織 / Fgf / 肥満症 / ケトン食 / エネルギー代謝 / インスリン感受性 / Lp1
研究概要

白色脂肪組織におけるトリグリセリドの過剰な蓄積は、肥満症と呼ばれる。肥満症では脂肪組織由来のアディポサイトカインの分泌異常が起こり、全身の糖、脂質代謝に異常が生じることが明らかになりつつある。本研究では、白色脂肪組織のトリグリセリド代謝の調節を行うものと期待されるFgf21について、独自に作製したノックアウトマウスを用い、肥満症における生理的意義を検討した。野生型マウス、ノックアウトマウスに高脂肪食を摂取させ比較したが、ノックアウトマウスの体重変化、糖代謝、脂質代謝は野生型マウスとほぼ同じであった。従って、Fgf21は、肥満症の発症、また肥満症により惹起される糖、脂質代謝異常の発症に大きな役割を持たないことが明らかとなった。
一方、Fgf21は高脂肪低炭水化物食(ケトン食)の摂取によっても、肝臓で誘導されることが示されている。ケトン食負荷時では、全身のエネルギーが糖質主体から、脂質主体へと切り替わることが知られており、Fgf21も、この糖から脂質への変換に重要な役割を果たすことが示唆されている。そこで、Fgf21ノックアウトマウスをケトン食で6日間飼育し、同条件の野生型マウスと比較した。その結果、ケトン食により飼育したFgf21ノックアウトマウスでは同条件の野生型マウスに比較して、白色脂肪組織Lp1の発現上昇による血中トリグリセリドの減少と、インスリン感受性の増加が認められた。この結果により、Fgf21はケトン食による糖質主体から脂質主体へのエネルギーの変化において、インスリン感受性を低下させ、トリグリセリドの白色脂肪組織への取込みを抑制することが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] FGF21 as an Endocrine Regulator in Lipid Metabolism : From Molecular Evolution to Physiology and Pathophysiology.2011

    • 著者名/発表者名
      Murata Y, Konishi M, Itoh N.
    • 雑誌名

      Journal of Nutrition and Metabolism

      巻: 981351

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FGF21 is dispensable for hypothermia induced by fasting in mice.2010

    • 著者名/発表者名
      Oishi K, Sakamoto K, Konishi M, Murata Y, Itoh N, Sei H.
    • 雑誌名

      Neuro-endocrinology letters

      巻: 31 ページ: 198-202

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A polysaccharide extracted from Grifola frondosa enhances the anti-tumor activity of bone marrow-derived dendritic cell-based immunotherapy against murine colon cancer.2010

    • 著者名/発表者名
      Masuda Y, Ito K, Konishi M, Nanba H.
    • 雑誌名

      Cancer Immunology, Immunotherapy

      巻: 59 ページ: 1531-1541

    • 査読あり
  • [学会発表] 白色脂肪組織における新規分泌性タンパク質Neudesinの役割2010

    • 著者名/発表者名
      太田紘矢、椎野円、山上雅人、小西守周、木村郁夫、伊藤信行
    • 学会等名
      BMB2010
    • 年月日
      2010-12-07
  • [図書] 日本臨床増刊メタボリックシンドローム(第2版)-基礎・臨床の最新知見-2010

    • 著者名/発表者名
      小西守周、伊藤信行
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      日本臨床社

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公開日: 2012-07-19  

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