シアル酸の主要な分子種であるN-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)は脳内に豊富に存在し、記憶形成において重要な役割を担う。一方、マイナーなシアル酸分子種であるN-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)について、脳内における作用は不明な点が多い。本研究では、ラット脳において、Neu5Gcの存在と分布、Neu5Gcと記憶の関係などを明らかにした。さらに、シアル酸を糖鎖構造から脱離させるシアリダーゼの作用に着目し、脳内におけるシアリダーゼ活性の分布や神経活動と連動した糖鎖構造からのNeu5Gc脱離などを明らかにした。
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