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2010 年度 実績報告書

統合失調症関連分子dysbindin-1の性状機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21790106
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

伊東 秀記  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 神経制御学部, 主任研究員 (40311443)

キーワード統合失調症 / dysbindin-1 / 細胞周期
研究概要

私共は昨年度までに、統合失調症脆弱性因子dysbindin-1は、WAVE2/Abi-1複合体と結合し、初代培養海馬神経細胞のスパイン成熟を制御していることを明らかにした。今年度は、dysbindin-1の新たな分子機能を明らかにすることを目指し、新規結合分子の探索および性状解析を行った。各種の蛋白質間相互作用データベースを利用してdysbindin-1結合分子を探索したところ、細胞周期調節に関与するサイクリンDおよび低分子量G蛋白質と結合するarfaptinが見いだされた。これらの分子は、いずれも蛋白質間相互作用の網羅的解析から同定されたもので、哺乳動物細胞内での複合体形成や複合体形成の生理的意義については全く検討されていなかったため性状解析を開始した。過剰発現系を用いた免疫沈降法によりdysbindin-1とこれらの分子の結合を検討したところ、dysbindin-1は、サイクリンDおよびarfaptinと複合体を形成することが明らかとなった。さらに、dysbindin-1とサイクリンDの結合部位を免疫沈降法により同様に検討したところ、dysbindin-1のC末端側の部位とサイクリンDのC末端側の部位が両者の結合には重要であることがわかった。サイクリンDは、細胞周期の進行に伴い細胞質と核の間を行き来することが知られている。哺乳動物培養細胞のdysbindin-1の局在は、ほとんどが細胞質に見られたが、一部の細胞では核での局在も認められた。そこで、dysbindin-1の核での局在を制御する部位を、各種のdysbindin-1変異体を用いて解析したところ、N末端部のロイシンジッパー構造が重要であることがわかった。これらのことから、dysbindin-1は、サイクリンDと協調して細胞周期を調節している可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 統合失調症脆弱性遺伝子産物Dysbindin-1の機能-病態との関連性2011

    • 著者名/発表者名
      伊東秀記
    • 雑誌名

      日本神経精神薬理学雑誌

      巻: 31 ページ: 35-40

  • [雑誌論文] Septin 14 is involved in cortical neuronal migration via interaction with Septin 42010

    • 著者名/発表者名
      Shinoda T, Ito H, Sudo K, Iwamoto I, Morishita R, Nagata KI.
    • 雑誌名

      Mol Biol Cell.

      巻: 21 ページ: 1324-1334

    • DOI

      DOI:10.1091/mbc.E09-10-0869

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dysbindin-1, WAVE2 and Abi-1 form a complex that regulates dendritic spine formation2010

    • 著者名/発表者名
      Ito, H.
    • 雑誌名

      Mol Psychiatry.

      巻: 15 ページ: 976-986

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional analysis of Dysbindin, a schizophrenia risk factor, in dendritic spine formation2011

    • 著者名/発表者名
      永田浩一
    • 学会等名
      米国細胞生物学会
    • 発表場所
      コロラド コンベンションセンター(デンバー)
    • 年月日
      2011-12-06
  • [学会発表] Dysbindin-1, a schizophrenia risk factor, regulates dendritic spine formation : Evidence supporting neurodevelopmental hypothesis2010

    • 著者名/発表者名
      永田浩一
    • 学会等名
      米国細胞生物学会
    • 発表場所
      フィラデルフィア コンベンションセンター(フィラデルフィア)
    • 年月日
      2010-12-14
  • [学会発表] Molecular mechanism of Septin-mediated migration of cortical neurons2010

    • 著者名/発表者名
      篠田友靖
    • 学会等名
      BMB2010
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-12-08
  • [学会発表] Biochemical and histological characterization of MAGI-1 in rat nervous tissues2010

    • 著者名/発表者名
      伊東秀記
    • 学会等名
      BMB2010
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] Septinの大脳皮質形成における機能およびその分子メカニズム2010

    • 著者名/発表者名
      篠田友靖
    • 学会等名
      Neuro2010
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] Dysbindin-1はWAVE2/Abi-1複合体を介して神経細胞の樹状突起形態を制御する2010

    • 著者名/発表者名
      伊東秀記
    • 学会等名
      Neuro2010
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-09-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.inst-hsc.jp

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公開日: 2013-06-26  

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