研究課題
本研究は、核内受容体の内因性リガンドとコアクチベーターの結合を同時に阻害する、核内受容体の多次元同時阻害薬の創出を目指すものであった。具体的には、(1)内因性リガンド骨格から脱却した核内受容体リガンドの創製と、(2)核内受容体に対する非ペプチド性コアクチベーター結合阻害薬の創製、(3)核内受容体リガンドとコアクチベーター結合阻害薬の連結による内因性リガンドとコアクチベーターの両方の結合を同時阻害する化合物の創製、に取り組んだ。(1)に関しては、ビタミンD作用と抗アンドロゲン作用の両方を併せ持つ非ステロイド型化合物を起点とし、非ステロイド骨格を有する選択的抗アンドロゲンを創出し、論文発表および学会発表した。また、内因性リガンド骨格から脱却した肝臓X受容体リガンドとペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体リガンドも創製し、論文発表および学会発表した。なお、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体については骨格の異なる2系統のリガンドを創製した。(2)に関しては、非ペプチド性のビタミンD受容体-コアクチベーター結合阻害化合物を昨年創出した。今年は、本成果を学会発表した。また、コアクチベーター結合阻害能の活性増強を目指し、10種類以上の類縁体を合成して活性を評価した結果、これまでと同等の阻害活性を有する化合物を複数創出することができた。各核内受容体に対する阻害活性選択性についても評価した。(3)(1)(2)で得られた各種核内受容体リガンドとコアクチベーター結合阻害物質を連結した化合物の合成を現在検討している。なお、リンカー連結部位については、複合体のX線結晶構造解析の情報を参考にした。
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Heterocycles
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http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/chem/IMCB-8ken-HP/Index.html