本研究は治療抵抗性・耐性に関連のある候補遺伝子のDNAメチル化と変異、薬剤代謝酵素の遺伝子多型を調査し、化学療法の効果と副作用、生命予後との相関を明らかにすることが目的である。初年度となる平成21年度は筑波大学での倫理審査会を通したのちにサンプル採取を開始することとした。また、対象患者を大腸癌のみでなく、化学療法を受ける胃癌患者も含めることとした。その理由は胃癌症例の方が化学療法の効果判定のため、治療前後で内視鏡検査を行う頻度が高く、サンプルの採取に有利と思われたためである。 平成21年度に行った研究の具体的内容 (1)サンプル採取:平成21年6月15日に筑波大学の倫理審査会の承認を得た。その後よりサンプル採取を開始し、半年で胃癌、大腸癌の患者からの血液、組織サンプル各11名分を収集した。倫理審査会の承認は予定通りに進行したが、DNA抽出法の確立に数カ月を要し、サンプル収集が予定より遅れる結果となった。来年度も引き続き、サンプルの採取に重点を置きたい。 (2)ゲノムワイドメチル化解析:組織サンプルを用いたメチル化解析の準備としてカスタムアレイプローブを購入した。測定は来年度からの予定である。 意義、重要性 初年度ということもあり、実際の測定は来年度からとなる。結果が出ておらず、現段階では本研究の意義と重要性を見出すのは困難である。
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