Diacylglycerol kinases (DGK) は、脂質シグナル分子であるdiacylglycerol (DAG) をリン酸化することで、細胞内DAG量を制御する酵素である。マウス膵β細胞において、タイプI DGKの発現が確認され、その特異的阻害薬はβ細胞からのインスリン分泌および細胞内Ca2+上昇を抑制した。さらにタイプI DGK のダブルノックダウンによりインスリン分泌が低下したこと、膜透過性DAGアナログは細胞内Ca2+濃度を低下させたことから、タイプI DGKの機能不全により、細胞内DAGの蓄積がもたらされた結果、インスリン分泌障害が引き起こされたと考えられる。
|