|
ヒト骨髄間葉系細胞において、スタチン前処置下共培養にて心筋誘導効率がコントロール群に比して改善するが、各種スタチン間での心筋誘導効率に対する作用の違いについて検討を行った。またこの作用が骨髄由来の間葉系幹細胞以外にも見られる現象であるか否かを、それぞれ由来のプロフィールの異なるヒト間葉系幹細胞で研究を行った。心筋誘導効率の変化と発現遺伝子の関係について、遺伝子マイクロアレイによって比較し(特にレセプター遺伝子の変化に注目)、心筋誘導効率の改善が認められる細胞でのみ増加している遺伝子を10数種類選択し、さらにリアルタイムPCRを用いて定量的に評価し、心筋誘導にどの遺伝子が関与しているかの検討については現在行っている段階である。また、ヒト骨髄間葉系幹細胞およびヒト羊膜間葉系幹細胞に対する水溶性スタチンの効果・生体位心での検討については、心筋梗塞モデルを作成してスタチン前処理した間葉系細胞の移植を行い、左心機能評価、左心室内圧測定、心筋梗塞領域(マッソントリクロム染色)の計測・新生血管数(CD34染色)計測、EGFP陽性細胞及びその細胞の心筋への分化を心臓特異的トロポニン-I染色によって、免疫組織化学的に検証し、間葉系細胞の心筋分化へ及ぼす影響について今後検討を進めていく予定である。
|
