研究課題
これまでに、膜小胞の繋留と融合を制御するSNARE蛋白質に注目し、その中の骨格筋に発現するVAMP蛋白について網羅的な検討を行ってきた。それらのVAMPのうち、筋特異的なアイソフォームといわれているVMP5ついて解析するため、まず、抗体を準備し、組織染色を行った。抗体の準備準備した抗体6種類(自作抗ペプチド抗体4種、市販2種)の評価を行った。過去の報告にもとづき、C2C12筋管細胞への染色性を評価したところ、自作抗体に1種、市販抗体に1種、染色性を示す抗体があった。っぎにウェスタンブロットで予想される分子量のバンドを検出するか評価したところ、市販抗体2種で、約15kDaのシングルバンドを検出した。自作抗体では予想より大きな複数のバンドが検出された。VAMPは、SNAPやSyntaxinと複合体を形成する可能性がある。そこで、SNAPやSyntaxinについても検出したが、泳動サンプル中に複合体は残存していなかった。以上より、市販抗体1種は、筋管細胞への染色性とウェスタンブロットでバンド検出能をともに有する。さらに、筋管細胞への染色性は、抗原で吸収できることと、siRNAで減少することも確認した。よって、今後の解析に用いることにした。マウス骨格筋組織での分布と骨格筋形成過程における発現正常マウス骨格筋より、筋再生が盛んな筋ジストロフィーマウスのほうが、発現が多いことを見出した。その意義について、今後検討を進める。
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Cell Structure and Function 34
ページ: 11-15