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2009 年度 実績報告書

軟骨形成における小胞体ストレスセンサーBBF2H7の生体内機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21790184
研究機関宮崎大学

研究代表者

日野 真一郎  宮崎大学, 医学部, 助教 (00372699)

キーワード細胞・組織 / 発生・分化 / 蛋白質 / シグナル伝達
研究概要

異常な構造を持つ蛋白質が小胞体内に蓄積する状態を小胞体ストレスとよぶ。細胞はこのストレスに対しunfolded protein response (UPR)を活性化させ、異常タンパク質蓄積による小胞体の破綻を回避しようとする。UPRの発動には小胞体膜上に存在する種々の小胞体ストレスセンサーが必要である。本研究では、小胞体ストレスセンサーBBF2H7の生体内の機能を明らかにするために、BBF2H7遺伝子欠損マウスを作製した。BBF2H7遺伝子欠損マウスは、四肢および体幹の著明な短縮や胸郭の形成不全を示し、出生直後に呼吸不全のため死亡する。病理組織学的には軟骨基質の著明な減少、成長軟骨の増殖層および肥大層の発達不全、および軟骨細胞の小胞体異常拡張が観察された。この軟骨形成異常のメカニズムを明らかにするために、野生型およびBBF2H7欠損軟骨組織を用いてマイクロアレイ解析を行ったところ、小胞体-ゴルジ間輸送に関わるSec23aの発現がBBF2H7遺伝子欠損マウスで著明に減少していた。そこで小胞輸送に焦点をあて解析を実施したところ、BBF2H7欠損軟骨細胞ではCOPII小胞の形成抑制のため、II型コラーゲンなどの軟骨基質タンパク質の小胞輸送が障害されていた。この現象はBBF2H7あるいはSec23aの強制発現によりレスキューされた。軟骨細胞は軟骨基質を大量に産生分泌する細胞であり、小胞体に常に過剰な負荷がかかる。BBF2H7はこの小胞体負荷に対して小胞体-ゴルジ間輸送系をSec23aの転写を介して活性化させることでタンパク質の効率的な分泌に寄与しているものと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Regulation of endoplasmic reticulum stress response by a BBF2H7-mediated Sec23a pathway is essential for chondrogenesis.2009

    • 著者名/発表者名
      Saito A, Hino S-I., et al. (The first two authors are contributed equally to this manuscript)
    • 雑誌名

      Nature Cell Biology 11

      ページ: 1197-1204

    • 査読あり
  • [学会発表] 小胞体ストレスセンサーOASISファミリーの活性化機構と生体機能調節2010

    • 著者名/発表者名
      日野真一郎、齋藤敦、村上智彦、津曲健志、落合希実子、今泉和則
    • 学会等名
      第115回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      20100328-20100330
  • [学会発表] The roles of ER stress transducer BBF2H7 in chondrogenesis.2009

    • 著者名/発表者名
      日野真一郎
    • 学会等名
      The American Society for Bone and Mineral Research (ASBMR) 31st Annual Meeting
    • 発表場所
      Denver, Colorado, USA
    • 年月日
      2009-09-11

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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