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2009 年度 実績報告書

フェロモンシグナリングの動的機能形態学 -発情期フェロモンとその受容細胞の同定-

研究課題

研究課題/領域番号 21790188
研究機関岩手医科大学

研究代表者

阿久津 仁美  岩手医科大学, 医学部, 助教 (30398482)

キーワードフェロモン / カルシウムイオン / イメージング / 鋤鼻器 / 生理活性物質 / バイオアッセイ / ラット / 尿
研究概要

【具体的内容】本研究では,雄ラット鋤鼻感覚細胞のカルシウムイメージング法をバイオアッセイ系として利用し,雌ラット尿中に特異的に存在する活性物質(フェロモン)の同定を目的としている。これまで確立・利用してきたバイオアッセイ系は,高速リアルタイム共焦点レーザー顕微鏡を用いた精密な分析であり,個々の鋤鼻感覚細胞の反応特性を詳細に解析できるアッセイ系であった。それに加えて,平成21年度の研究により,厚みのある鋤鼻感覚上皮全体,あるいは鋤鼻感覚細胞の集団の反応を捉えることのできる"蛍光顕微鏡ベースのバイオアッセイ系"を確立した。現在進行中である尿分析で得られたフラクションの生理活性を,このふたつのバイオアッセイ系を用いて検査する。
【意義】共焦点レーザー顕微鏡ベースのバイオアッセイ系では,感覚上皮内のある特定の一層にのみ焦点をあてて個々の鋤鼻感覚細胞のカルシウム変化を精査するため,その前後に連なる他の鋤鼻感覚細胞の反応や感覚上皮全体のカルシウム変化は観察できなかった。一方,蛍光顕微鏡ベースのアッセイ系では,個々の細胞の反応を正確に捉えることは難しいが,細胞集団や上皮全体を観察できるため,より多くのカルシウムダイナミクスを捉えることが可能である。すなわち,これらふたつのバイオアッセイ系を用いれば,目的に応じて"精密かつ効率的"に生理活性を検査でき,尿中フェロモンの同定に非常に有用である。
【重要性】生理活性物質の同定には,活性を検証できるバイオアッセイ系が不可欠である。細胞レベルの反応特性と感覚上皮全体の反応特性の両方を観察できれば,尿中フェロモンの同定のみならず,鋤鼻器レベルでのフェロモン受容に関する新しい知見をもたらすことができると考えられる。鋤鼻系の初期のプロセスである"フェロモン受容"の詳細な特性を解剖学的・生理学的に捉えられれば,フェロモン刺激が制御する高次脳機能の解明にも新たな発展をもたらす可能性が高いことから,神経科学的にも重要な研究であると位置づけることができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 尿が誘発する鋤鼻感覚細胞内Ca^<2+>上昇パターンの多様性2010

    • 著者名/発表者名
      阿久津仁美
    • 学会等名
      日本解剖学会第115回総会・全国学術集会
    • 発表場所
      岩手県民会館(岩手・盛岡)
    • 年月日
      2010-03-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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